【"竹あかり"で地域活性化】電気工事士の前中さんが行政と住民つなぐ 京都・八幡市でイベント | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【“竹あかり”で地域活性化】電気工事士の前中さんが行政と住民つなぐ 京都・八幡市でイベント


 日本有数の草庵史跡である松花堂庭園・美術館(京都府八幡市)で、八幡市主催の「竹あかりの夕べ-星への旅」と題する夜間イベントが20、21の2日間にわたって開かれた。名勝にふさわしい幻想的な雰囲気に市内外から多くの人が訪れる中、同イベントの実現に向けて行政と地域住民をつなぎ合わせたのは、1人の女性電気工事士だった。

 八幡市の竹は、世界で初めて白熱電球を発明したエジソンがフィラメントの素材として選んだことで知られているにもかかわらず、高い繁殖力という特性から剪定後の使い道に苦慮していた。

 市内に住む、なないろ電気通信(京都市、井上直人社長)の前中由希恵さんは、地元名産の竹と自身の本業である電気工事を組み合わせて、地域を活性化できないかと考え、「竹あかり(竹灯籠)」に行き着く。

 和歌山県などで製作方法を学んだ後、たった1人で同市に竹あかりに関するイベントの開催を提案。その初弾が2020年度に市内の公園で実現したことで、NPO法人「八幡たけくらぶ」の目に止まり、活動が活発化する。今回の「竹あかりの夕べ」では、写真家・美術家の澄毅さんの星空をイメージしたデザインを、平均年齢73歳の八幡たけくらぶのメンバーが主体的に具現化。前中さんはアドバイザーを務めた。

 竹あかりのほか、近隣の幼稚・保育園児の絵を活用した電灯も設置。紅葉に彩られた庭園で鮮やかに浮かび上がる灯籠が家族連れなどをもてなしていた。

 前中さんは「八幡市や八幡たけくらぶを始め、多くの人たちの協力があったからこそ開催できた」と振り返りつつ、「この活動の“あかり”を消すことなく、継続していきたい」と話す。


【公式ブログ】ほかの記事はこちらから


建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら