【カーボンネガティブを実現】大成建設のCO2固定コンクリート | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【カーボンネガティブを実現】大成建設のCO2固定コンクリート

 大成建設は、CO2排出量を大幅に削減できるカーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を使って、横浜市の技術センターの敷地に鉄筋コンクリートの現場打ち舗装工事と石材調建材「T-razzo」による舗装ブロックの敷設工事を施した。合計1.5t以上のCO2排出量の削減を実現したという。

 施工に使ったカーボンリサイクル・コンクリートは、コンクリート工場の排気ガスから回収した炭酸ガス(CO2)とコンクリート廃材のカルシウムによって製造した炭酸カルシウムを活用する。

 この炭酸カルシウムを産業副産物である高炉スラグを使って固化。炭酸カルシウムとしてコンクリートの内部にCO2を固定することで、コンクリートの製造過程におけるCO2収支をマイナス(カーボンネガティブ)にできる。

 「あくまでも“普通”に使える脱炭素社会の基盤材料を目指した」(大成建設)とするように、通常のコンクリート材料と同様の工程でRC構造物の施工(現場打ち)や2次製品(プレキャスト部材)を生み出すことが可能。

 コンクリートの内部にCO2を吸収させると、中和されて内部鉄筋の腐食が懸念されるが、弱アルカリ性の炭酸カルシウムと強アルカリ性の高炉スラグを使うことで、アルカリ性を保持(鉄筋の防食)できるメリットもある。

 現状は、ポイントとなっている炭酸カルシウムの供給(市場流通)や、建築基準法を始めとする法体系や基準類の課題から、建築物の柱や梁といった主要構造に適用することはできないが、そうしたハードルを乗り越えた先にカーボンニュートラルの基盤材料としての展開を見通す。

 技術センターで実践した建築物の外構部分への適用など、積極的に“実績”を積み重ねていくことで、カーボンリサイクル・コンクリートの普及・展開を狙う。




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