【"名付け親"待ってます】ネーミングライツ絶好調!高松市 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

公式ブログ

【“名付け親”待ってます】ネーミングライツ絶好調!高松市

高松市が新たな財源確保の一手として期待するネーミングライツ(命名権)が絶好調だ。この間、試行錯誤を重ねて、事業者との対話を通して声を広く集めるなど、需要に柔軟に対応した結果、試みが功を奏して、2021年度前半の募集では、「レクザム多肥小歩道橋」の案件を成立させ、後半の一斉募集では、ヨット競技場、亀水運動センター、亀水中央公園の3施設で既に事業者からの申し込みがあった。これまでのモノ(ハード施設)のほか、コト(イベント)も対象に加えるなど運用の幅を広げる方針を打ち出した。 ネーミングライツとは、スポーツ施設や文化ホールなどの名称に企業名や商品ブランド名などの愛称を与える権利。自治体は、受けた対価を施設運営や管理に役立て、地域活性化につながるなど好循環が期待できる。一方のスポンサー企業にとっては広告効果による認知度向上や地域貢献の一環としてCSR(企業の社会的責任)のPRにつながるメリットがある。

高松市総合体育館


命名権そのものの歴史は浅い。同市でも17年4月に初めて導入。屋島競技場でレクザム(大阪市)と5年契約し、「屋島レクザムフィールド」となったものの、昨年度までは「Hitz瀬戸の都トイレ」との2施設にとどまっていた。21年2月まで実施した10施設対象の一斉募集では応募ゼロと苦戦していた。

高松国分寺ホール


市はこの状況を受けて21年度から民間事業者を対象としたサウンディング型市場調査を実施した。その結果を踏まえ、新たな取り組みにも挑戦している。これまでいわゆる“ハコモノ”に限定していた対象施設をインフラ施設に広げた。金銭のみだった対価の支払いも物品納入や役務提供などを可能にした。

ネーミングライツは広告効果が見えづらいとされ、普及しない1つの要因となっている。9月のサウンディングでも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の『いいね!』のように数値的指標がないという声があった。そこで市は、市長による採用決定通知書交付式を開き、市内全戸配布の市報に掲載するなど宣伝効果を高める。

一方、香川県ではスポーツやコンサートなどでおなじみの「レクザムスタジアム」や「レクザムホール」「Pikaraスタジアム」などが定着している。市は「名付け親の事業者と一緒に施設を有効活用し、高松に愛着を持ってもらえるよう地域活性化に取り組んでいきたいので、ぜひ応募してほしい」と期待を寄せる。

市は現在、▽総合体育館▽東部運動公園▽牟礼中央公園運動センター▽西部運動センター▽朝日町庭球場▽亀岡庭球場▽庵治運動場▽福岡町プール▽仏生山公園温水プール▽高松国分寺ホール▽国民健康保険女木診療所▽国民健康保険男木診療所▽南部駐車場–の13施設で22年1月11日までスポンサーを募っている。

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら