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【考え得るあらゆる対策実践】JR東日本の飯田橋駅改良 前例のない工事への挑戦

最終更新 | 2020/07/28 17:14

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 ホームの移設先は、隣接駅との距離や支障物との関係を総合的に判断して決定したが、線路勾配が33‰(パーミル)を含み、ホームの設置基準となる10‰を超えていた。園田課長は「せっかくホームと車両の隙間が狭小化しても勾配が大きければ危険。移設範囲の前後の高さや諸条件を考慮し、一部範囲が最大18.5‰となったものの、基準を上回ることを許容する社内整理を行って全体計画を決めた。この新しい勾配に軌道とホームを変更していく工事は難易度の高いものとなった」と説明する。また、新ホームの一部が江戸城外堀跡の指定区域に支障するため、文化庁と協議を重ねた結果、さまざまな制約条件を踏まえつつ、支障範囲を最小限にすることで文化庁の許可を得ることができた。

道床掘削機による施工状況


 軌道・ホーム低下作業は、利用者への影響を最小限にするため、列車の運休を伴わないよう、夜間線路閉鎖間合いで、ホーム、下り線軌道、上り線軌道の順番で少しずつ繰り返して実施することとした。縦断勾配の変更範囲はホームが約100m(最大低下量492mm)、下り線軌道が約190m(528mm)、上り線軌道が約160m(425mm)。一晩当たりの目安となる低下量は、ホームの基準高さ1100mm、車両床面と最大段差発生時のホーム最低高さ1005mmの管理幅(95mm)に施工誤差を考慮し、最大80mmに設定した。

ホーム低下施工イメージ

軌道(下り線)低下施工イメージ


 長嶋課長は、工事の難しさについて「長期にわたって約3時間の間合いでの夜間作業と、急曲線部の軌道・ホーム低下の2点」を挙げ、「絶対に軌道変状などを起こさず、いかに効率的にきれいな形で下げていくか」に主眼を置いた。施工方法は「道床掘削機(もも太郎)を軌道低下に本格活用し、1晩当たりの施工延長はすりつけ部分を含め約50mと定めた」。具体的には、軌道の低下量を考慮し、事前に道床厚を増加した上で、道床掘削機で深めに掘削し、所定の低下量(最大80mm)に軌道の高さ調整を行い、バラストの埋め戻し、その後、軌道整備する流れで施工した。

 ホーム低下は、あらかじめ、仮ホーム化を行い、柱に油圧ジャッキを配置して、東京方面から3スパンずつ実施した。一晩当たりの施工延長はすりつけ部分も含め15-20mとした。ホーム、軌道とも、計画高さ(最大低下量)を全6層(1層当たり80mm)に分けて順次低下させた。

 こうして1年1カ月を要した低下作業では、施工状況の管理も徹底。毎夜の作業後、軌道、ホームの各仕上がり基準値を満たした上で、列車の運行を開始することを大前提とした。軌道変状などのリスク対策として時速45㎞以下とする列車徐行を実施するとともに、列車動揺測定と線路設備モニタリングシステムによる軌道状態監視体制や、線路の保守部門との協力体制を構築。長嶋課長は「考えられる、あらゆる対策を実践した」と力を込める。

 また、低下作業期間中は転落検知マットが支障するため、代替設備としてレーザーセンサーを導入し、利用客の転落や、落下物の検知を徹底した。園田課長は「お客さまの安全確保を第一としつつ、日々刻々と現場が変化することで乗務員や駅員に不安感を与えないよう、3DCADでホーム・軌道低下計画や実績を視覚化し、理解してもらう取り組みも実施した」と振り返る。

3D-CADでホーム・軌道低下 計画や実績を可視化


 こうした各種の備えを徹底し、計画した57回の軌道低下と35回のホーム低下という前例のない工事が無事に完了した。園田課長は「東京五輪までに完了させることが至上命題でミスが許されない中で始まった工事。社の幹部から『毎回が線路切換工事』だと言われたが、作業員の方々にも最後まで気を抜かずに実施していただいた」と感謝の意を示す。長嶋課長は「56回うまく行っても、最後の1回が失敗すればすべてが台無しになる。施工関係者のみんなが計画を理解し、緊張感を持続させながら各々の役割を確実に果たしたことが大きい」と成功の要因を挙げる。

ホームと車両の隙間を抜本的に狭小化


 飯田橋駅改良工事の施工は、鉄建建設・前田建設工業JV(土木・建築工事)、東鉄工業(軌道工事)などが担当した。

失敗が許されない中で各々の役割を確実に果たした (2020年1月29日撮影)

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