三菱マテリアルは、ＭＭＣイノベーション投資事業有限責任組合を通じて出資しているエネコートテクノロジーズ（京都市、加藤尚哉社長）の委託先として、新エネルギー産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の「グリーンイノベーション基金事業／次世代型太陽電池の開発」に参画する。三菱マテリアルは、ペロブスカイト太陽電池普及のための低コスト化、高性能化に向けた周辺材料の開発を行う。

　エネコートテクノロジーズは「設置自由度の高いペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発」のテーマで採択された。耐荷重の小さい工場の屋根やビル壁面など、既存の太陽電池を設置できなかった場所への導入に向け、軽量化や建物の曲面などにも設置できる柔軟性を持たせ、変換効率や耐久性などの性能面でも既存電池に匹敵するペロブスカイト太陽電池の実用化を目指す。

ペロブスカイト太陽電池

　ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶の層などを基盤に塗布して形成する太陽電池となる。一般的に使われている結晶シリコン太陽電池よりも軽く、厚みを１００分の１にできるほか、折り曲げてさまざまな場所に設置でき、次世代の太陽電池として普及が期待される。

　エネコートテクノロジーズは京大発のスタートアップ企業で、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組むだけでなく、ペロブスカイト太陽電池に含まれる鉛を代替材料に置き換えた鉛レスの太陽電池の開発も進める。三菱マテリアルは２０２０年５月にＭＭＣイノベーション投資事業有限責任組合を通じて出資し、ペロブスカイト太陽電池の耐久性向上に寄与する技術や鉛レス化に必要な周辺材料の開発に関連する協業の検討を進めている。

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