【ペロブスカイト太陽電池物流施設に設置】北海道で1年かけ実証実験/日揮ら3社 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【ペロブスカイト太陽電池物流施設に設置】北海道で1年かけ実証実験/日揮ら3社

ペロブスカイト太陽電池

 日揮、苫小牧埠頭(北海道苫小牧市、海津尚夫社長)、エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町、加藤尚哉代表取締役)の3社は、エネコートテクノロジーズが開発したペロブスカイト太陽電池を北海道苫小牧市の物流施設に設置する共同実証実験を2024年から約1年間かけて行う。倉庫やサイロなど物流施設での実証実験は国内で初めてとしており、屋根や壁面向けの新たな設置方法を開発・実証し、施工コストを抑えることを目指す。

 実証実験では、苫小牧埠頭の倉庫などで主に使われている凹凸状の屋根や外装にフィルム型のペロブスカイト太陽電池を設置する。▽発電効率の測定、予測値と実測値の比較▽塩害・降雪地域での耐久性▽既存の倉庫屋根や建物曲面への太陽電池モジュールの設置方法――の3点を検証する。

 同実証実験は、北海道でペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた検証を実施する点で、寒冷地でのデータ収集に有効となる。苫小牧埠頭の物流施設が立地する湿潤で塩気が多い港湾地域といった、ペロブスカイト太陽電池の設置に適切とはいえない場所での実証もできる。一方、曇りの日が多いとされる苫小牧市において、低照度でも発電できるペロブスカイト太陽電池の特長を生かせる。

 日揮は、実証計画の策定、ペロブスカイト太陽電池の設置と計測、分析、技術評価、倉庫などへの適用に向けた発電システムの開発を行う。苫小牧埠頭は、総合的な調整や、設置場所の提供を担う。エネコートテクノロジーズは、ペロブスカイト太陽電池の提供と分析、技術評価を実施する。

 

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