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【ロボフレ】/ロボットとビル設備が通信連携/経産省、三菱地所ら

屋外からオフィス内へ弁当を運ぶ搬送ロボット


 
 経済産業省や三菱地所などは、あらゆるメーカーのロボットとビル設備が通信連携し、施設内でロボットが自由に垂直・水平移動して飲食配達や清掃、警備といったサービスを提供するシステムを実装する。ロボットが自らエレベーターなどを使い、領域の制約なく活動できる「ロボットフレンドリー」な環境を構築し、人手が不足する分野の業務補完やコロナ禍で高まる非対面・非接触のニーズに対応する。

 現状、サービスロボットは個別ユーザー向けに開発しているため、高コスト構造になりがちで、幅広い社会実装の足かせになっている。経産省は、ロボットを「一品モノ化」してしまうカスタマイズを不要とし、価格低下などにつなげて普及を加速する導入環境のイノベーションを推進する。施設管理分野ではメーカーを問わず、ロボットとエレベーター、セキュリティードア、フラッパーゲートなどが連携し、人手によるロボット移動を伴わずにサービス提供が可能な環境を目指している。

 ロボットとエレベーターの連携は、先行して2021年6月に通信の規格化を完了しており、国際標準化も視野に入れている。ドアとの通信の規格化も研究開発が進んでいる。今後は床、壁、斜度、段差、照度といった物理特性の標準仕様や、複数のロボットを同時制御する群管理制御システムなどを24年度までに確立する方針だ。

 三菱地所などは25日、経産省の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」の一環として、東京都千代田区の大手町フィナンシャルシティグランキューブで、ロボット走行環境実証実験を報道陣に公開した。パナソニック、NECネッツエスアイ、日立製作所なども参画した。

 実証ではフードデリバリーサービスと運搬ロボット、各種ビル設備を連携させ、ロボットが屋内外の飲食店からオフィスまで食事を運んだほか、清掃ロボットが自らエレベーターで上階に移動し、フロアを掃除して回った。

 経産省の担当者は、ロボフレ環境の構築には 「人々の寛容さも重要になる」と技術面以外のポイントも指摘。黎明(れいめい)期は、 多少いびつなサービスも大目に見て受け入れる必要性を説いた。
 
 

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