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【建築の「当たり前」打ち破り挑戦】SUPPOSE DESIGN OFFICE 谷尻誠氏

最終更新 | 2022/06/30 10:38

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 谷尻誠氏は、建築の枠にとどまらず、さまざまな事業を展開し活躍する気鋭の建築家・起業家だ。約20年前に建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE (サポーズデザインオフィス)を設立し、建築を主軸にしながら「社員+社会の食堂」をコンセプトにした飲食事業「社食堂」をはじめ、ネイチャーデベロップメント(自然開発)事業「DAICHI」を立ち上げるなど、建築の“当たり前”を打ち破り、新たなチャレンジを次々と仕掛ける。「建築を軸に活動しているが、建築家として見られなくてもよい」との思いを貫く心の内とはどんなものなのだろう。

 都市計画、建築、インテリア、プロダクトに関する企画や設計、監理、コンサルティングなど、国内外で多数のプロジェクトを手掛ける。その建築周辺で自ら企画する事業が共感を呼び、さらなる依頼が舞い込んでいる。依頼を待つばかりではない設計者の生き方を追求するからこそ、「町医者であり続けたい」という。それは「いざというときにしか会えない名医ではない。依頼主の背景にあるビジネスをどう成功させるかという世界観まで含めて提案ができる建築家でありたい」。例えば、「依頼主から提示された予算に対して建築家が助言することがあってもいい。きっと依頼主は、そこまで考えてくれる建築家に仕事を依頼するだろう」とも。

自身で設計し、20年に完成した「HOUSE T」(谷尻邸)「依頼主の立場になり、新居への希望と経済不安のバランスの中で建築がつくられていくのだと実感した。経済と建築、どこかで分けてしまっていた関係を考え直し、良い建築について今後も考えていきたい」(谷尻氏)

◆働き方を改革するプラットフォーム
 「アイデアを思いつくと、すぐに会社をつくってしまう」と破顔する。課題を見つけると解決に向けて動き出すのが“谷尻流”だが、あるとき、オフィスを歩いていると、スタッフの主な業務が「検索」になっていることに気がついた。図面作業には、使いたい設備器具や建材を見つけてカタログ請求し、届けば隅々まで読み、今度はサンプル請求をして初めて品番を図面に記入するという働き方にも課題を感じていた。「パソコンやスマートフォンという便利な物のおかげであらゆる情報が手に入るようになったが、本来設計に必要なはずの知恵を絞る時間が検索に奪われている。建築の未来のためにも、これを一気に省略することができないか」
 その思いが、建築家やインテリアデザイナー向けの次世代型ウェブ検索サービス『TECTURE(テクチャー)』を生み出した。オンラインのプラットフォームに建材や家具などのデータがすべて同じフォーマットで登録している。このため、サイトに掲載された住宅や店舗の事例写真上の黄色いピンをタッチするだけで、使われている建材や家具のメーカー、商品名がすぐに分かる。気に入った商材は製品情報からワンタッチでメーカー担当者に直接問い合わせることが可能で、アプローチが実にスムーズだ。建築家がよりクリエーティブな環境に身を置くことができるようになるだけでなく、メーカーにとっても、どこの物件で自分たちの商品が使われているかを自然にPRできる。
 既にサービスと関連付ける形でウェブメディア「TECTURE MAG(テクチャーマガジン)」も立ち上げた。目指しているのは、竣工図書などの紙資料を含めた建築に関するあらゆる情報のアーカイブ化だ。現在の登録者数は既に2万5000人を超えるが、まだ目標には達していない。「アマゾンで検索しても建材は出てこないが、『TECTURE』にはある。日常の設計業務に『TECTURE』を定着させ、ここを見れば業界のすべてがすぐに分かるというような“建築界のamazon”に育てたい」と思い描く。

「TECTURE」では空間デザイン事例の検索、そこで使われている家具・建材情報の検索、その家具や建材のメーカー担当者への連絡が、プラットフォームを利用して一気通貫でできる

◆自然豊かな場でしかできない体験価値を
 コロナ禍ではホテルや海外のプロジェクトが停滞を余儀なくされ、「事務所が存続できるかどうかの状況にまで追い込まれた」と振り返る。仕事を待つのではなく、「仕事を自主的につくる会社にしなければならない」と思いを強くした。
 “自然環境を生かしたネイチャーディベロップメント”を掲げる「DAICHI(ダイチ)」の創業もその一つ。一見すると相反する“自然開発”の言葉には、「都市の中に商業施設をつくり収益化するディベロッピングを、自然の中で自然に逆らうことなく少しずつ進め、居場所をつくる」という意を込めた。基本のビジネスモデルは、DAICHIが自然環境の良い土地を購入し、建物を建て販売する仕組みだ。購入者が利用しない時はホテルとして貸し出せるマッチングシステムの構築や運用のサポートも行い、別荘を購入するより利回りの高い不動産投資の感覚に近い。
 「時代はどんどん変わり、職業も一つではなくなる」。郊外に出向き、自然の中でより多くの時間を過ごし活動するようになる。「金曜夜に出掛け、キャンプ道具の準備や片付けの手間もなくDAICHIでアウトドアを楽しみ、月曜朝に帰宅する。平日は都内で仕事をすればいい。週の半分を自然の中で過ごせるライフスタイルなんて最高でしょう」

「キャンプ以上、別荘未満」と表現するDAICHIのプロジェクト「いすみの家」(千葉県いすみ市、22年夏竣工予定)


 コロナ禍でキャンプに出向く機会が増えただけでなく、広島県三次市の中庭や五右衛門風呂のある田舎の町家で「遊び方を自分で考えなければならなかった」という原体験や、子育ての経験も大きく影響している。「都市にいると、与えられるものを受け入れるだけになり、考えることをしない大人になっていくかもしれない。自然がある場所に親が連れて行くきっかけをつくることに使命を感じた」という。DAICHIのシステムであれば、富裕層でなくても物件が購入でき、黒字化の可能性もある。「まずは僕が実践するつもりです」。今後5年間で100棟程度を建設する計画だ。
 常に完成というゴールを設定する。「良い空間を生み出すことは当然であり、大きな建物をつくるのが目的でもない。その建物がその土地に残り存続して使われる先を見据え、完成した後も関わっていけるようなプロジェクトにしたい」。建築は、出来上がって始まる。 

(たにじり・まこと)1974年生まれ、広島県出身。2000年SUPPOSE DESIGN OFFICE設立(14年より吉田愛氏と共同主宰)。広島と東京の2カ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外で多数のプロジェクトを手掛けながら、穴吹デザイン専門学校特任講師、広島女学院大客員教授、大阪芸術大准教授などを務める。「tecture」「DAICHI」のほか、絶景を望める物件のみを仲介する「絶景不動産」などを立ち上げ、事業と設計をブリッジさせて活動している。『CHANGE 未来を変える、これからの働き方』など著書多数。

                  

  • #インタビュー
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