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5月17日 金曜日

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【九段会館テラス】真正性と耐久性にこだわり10月1日開業 東急不、鹿島

保存・復原した九段会館(手前)とオフィス棟。保存部の瓦は江戸時代の技術の再現に試行錯誤した


 東急不動産と鹿島は、東京都千代田区に建設していた「九段会館テラス」(KUDAN-KAIKAN TERRACE)を10月1日に開業することを決めた。8日にメディア説明会を開き、東急不動産の根津登志之都市事業ユニット開発企画本部執行役員本部長、鹿島の神山良和工事事務所長、千代田区の加島津世志環境まちづくり部まちづくり担当部長、モノサスの荒井茂太食事業開発ディレクター、伊藤滋東大名誉教授がトークセッションで九段会館保存・復原で重視した点などを語った。

 冒頭、東急不動産の榎戸明子取締役常務執行役員都市事業ユニット長は「来る意味のあるオフィスづくりを目指した。ワーカーが安心して健康的に働ける仕掛けを用意した。歴史の重みを受け止めながら運営したい」と話した。この後、日本遺族会の水落敏栄会長と財務省の梅野雄一朗理財局国有財産業務課長があいさつした。

トークセッションする根津、神山、伊藤、加島、荒井氏(左から)


 トークセッションでは、保存・復原で注意を払った点について根津本部長が「事業性と(開業当時を再現する)真正性のバランスと、保存部分と新設オフィス部分のデザインの融合を考えるのが大変だった」とした。神山所長は「工事前に初めて旧軍人会館(九段会館)の威容を見た時の感動と、当時の職人の工夫の痕跡を見た時の感動を糧にここまできた」と述べた。その上で、施工面では「真正性と耐久性、メンテナンス性、利便性を高いレベルで実現するために検討してきた結果、最高の結果を出せた」と胸を張った。

 「九段会館及び同敷地に関する検討委員会」で委員長を務めた伊藤滋名誉教授は「軍人の記憶がある者としては、テラスという施設名が市民性のある名前でとてもいい。また、強烈な個性を持った旧軍人会館とオフィスとのデザインのバランスが難しいが、とても素直なオフィスデザインでうまく組み合わさっている」と評価した。

 規模は、S(CFT)・RC・SRC造地下3階地上17階建て延べ6万8036㎡。設計は鹿島・梓設計JV、施工は鹿島が担当した。建設地は九段南1-6-5。


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