【バイオバリア技術を確立】汚染地下水の拡散防止/大成建設 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【バイオバリア技術を確立】汚染地下水の拡散防止/大成建設

 大成建設は、地盤に設置した注入管から浄化材を連続的に供給することで、揮発性有機化合物(VOCs)に汚染された地下水の拡散を防止する技術「T-SoilReme-Biobarrier」を開発した。地上の設備がコンパクトなため、処理設備の設置スペースが確保できない狭あいな敷地でも適用が可能。効果的に汚染地下水の拡散を防ぐ。
 汚染地下水の拡散が懸念される範囲に注入管を設置。注入管から独自の浄化材「TM-BioQuick」を連続的・断続的に供給して地中の浄化菌を活性化させることで、汚染地下水を浄化する「バリアゾーン(浄化領域)」を形成していく仕組みとなる。
 安価で耐久性の高い注入管の設置や即効性のある独自の浄化材の供給など、要素技術の低コスト化を図ることで、これまで実用化されていなかった「バイオバリア」の技術を確立させた。

「T-SoilReme-Biobarrier」概念図


 スリットの入った樹脂製の注入管を鋼管の内部に収納した「二重管」(打ち込み式注入管)を採用。小型のボーリングマシンで地盤に打ち込んだ後、外側の鋼管を引き抜くだけで、容易に浄化材を供給するための注入管(浄化井戸)を設置できる。
 地中の浄化菌を短時間で活性化させる即効性のある独自の浄化材を使うことで、バリアゾーンでの汚染物質の分解・浄化を促進。バリアゾーンを通過する汚染された地下水を確実に浄化していく。
 バリアゾーンの地盤特性に応じて注入管の間隔を調整する。高濃度の浄化材を少量ずつ供給することで、バリアゾーン全体にまんべんなく浄化材を浸透させる。
 供給する浄化材の液量を減らすことで、地上設備をコンパクト化できるため、処理設備の設置スペースがない狭あいな敷地であっても適用が可能。地下水をくみ上げて汚染物質を除去する「揚水バリア」と比較してコストや管理の手間が大幅に低減できるというメリットがある。



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