【オンラインで完結 事業用駐車場手配サービス「at PORT」が好調】ランディット | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【オンラインで完結 事業用駐車場手配サービス「at PORT」が好調】ランディット

衛星データをAIで解析、土地情報提供も/代表取締役社長 藤林 謙太氏

藤林氏

 ランディット(東京都渋谷区)は、クラウドカメラと衛星、AIを駆使して不動産データを立体的にアップデートし、駐停車の次世代インフラの提供を進めている。その一環として手掛けている、オンラインで完結する事業用駐車場手配サービス「at PORT(アットポート)」は、衛星とAI画像認識で集めた豊富な駐車場データから、現場に1番近く利用可能な駐車場を最短1日で探し、調査から支払いまでをワンストップで代行するサービスだ。事業本格開始から約1年の今8月時点で月間新規ユーザー数200社、月間契約高は4000万円を突破するなど、引き合いが増している。藤林謙太代表取締役社長は「建設業の“本丸”ではない業務をデジタル技術で可視化、効率化することでコスト削減につなげたい。魅力ある業界になるための環境づくりに貢献できれば」と思いを込める。2022年度中にはアットポート単体の月商売上高1億円の達成を目指す。

◆駐車場、土地を確保し事業者をマッチング
 新卒で入社した総合商社で建設、産業機械事業に携わったこともあり、「対象市場が大きいにもかかわらず、アナログ取り引きが主体の駐車場手配に、潜在的なニーズがあることを肌で感じていた」と振り返る。政府系投資ファンドやIT企業などを経て、21年5月にランディットを創業。社名には、手に入れるという意の「get」に近い意味でも使われる「Land」と、ITを掛け合わせ、「ITを手に入れる、形にする」という意を込めた。「IT化・デジタル化にとどまらず、トランスフォームする」と思い描く。

 21年9月に打ち出した「at PORT」は、事業用の駐車場や土地をすぐに確保出来ることをコンセプトにしたサービス。同社は、物流、モビリティ業界や、工務店、ゼネコンなどの駐車場を確保したい事業者と、それを提供する事業者らをマッチングする役割を担う。
 ユーザー側の操作は簡単だ。建設現場の所在地、希望台数や期間に加えて、現場からの近さや値段などの希望条件を入力する。これまでに同社が情報収集した他社の10倍とされる業界最大級のデータや衛星、AIを活用し、最短で1営業日以内に見積もりが届く。事前に着工情報を知らせておけば、着工2、3週間前に自動見積もりも可能。ユーザーは手間をかけずに早く正確な情報を手に入れることができる。
 藤林氏は「駐車場のサイズは30cm単位の精度でわかるし、その駐車場へつながる動線を2t車が入れるかどうかも、つぶさにわかる」と話す。無料のアプリも提供しており、駐車場の大きさ、道路から駐車場への動線などを確認しながら、具体的なニーズに応じた最適な駐車場を選択できる。検索、見積もり依頼から予約、契約、決済、管理までの一連のタスクを一つのデバイスで完結することが可能。利用が発生した場合のサブリースによる契約形態をとっているほか、社内システムを自動化していることもあって、総合すれば他サービスより費用を抑えることができるという。
 特に建設現場で働く左官、電気工事、内外装業などの職人は多くの機材を積む必要があるため、特殊車や大型車を使用することが多い。「こうした車両はコインパーキングや駐車場シェアリングサービスが提供する駐車スペースでは不十分。所定の場所に一定期間駐車する必要があり、駐車スペースまでアプローチする道路の道幅についても考える必要がある」と藤林氏。駐車場を手配する際は、登記簿で土地情報を確認するほか、現地で計測することもある。

手間をかけず、一番近くの駐車場が 最短一日で見つかる「at PORT」 

◆空き情報に仮説立て最終交渉まで対応
 既に「ランディットに頼んで見つからないなら平置き駐車場はないのだろう」と納得してもらえるほどの信頼を得ているが、「実際には寺社仏閣、ドラッグストア、病院などの空きスペースについても空からの衛星データで情報を仕入れ、ここに駐車できるのではないかという仮説のもとで、最終交渉までくまなく対応できる」と今後の方針を語る。根底には「デジタルはアナログとのバランスが大切。単なるデータプロバイダーではなく、交渉を含めてユーザーの お役に立てる存在でありたい」との思いがある。交渉業務を強化するため、不動産畑の長いメンバーを集めているのもその意欲の表れだ。
 今秋には、従来品より精度を高め、30cm単位の土地情報を提供する新サービスも打ち出す。ユーザーとしてデベロッパー、建設事業者のほか、自治体などを想定し、価格を抑えた月額制で提供する。初年度は1000社の導入を見込む。

◆サービスの対象拡大建設業全体を活性化
今後も「at PORT」については、車両のメンテナンススペース、太陽光パネル、ラストワンマイルの配送拠点など、サービスの対象を拡大する。将来的には、衛星データの取得頻度を増やすことで網羅性と精度を高め、日本全国で稼働する建設現場をAIで衛星画像から抽出し、情報提供するサービスも構想している。「建設現場の稼働状況をデータとして販売することで、建設業全体のビジネスの活性化に貢献したい」と見据える。

■会社概要
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-5  リンクスクエア新宿16階
設立:2021年
事業内容:建設業向けクラウドサービスの企画・開発・販売、・ポートおよび付随するコンサルティング・業務委託。不動産取引の仲介、媒介、不動産管理業、「at PORT」の運営、事業用短期駐車場予約サービス「PIT PORT」の運営、駐車場管理ソフトウェアの開発など
URL  https://landit.co.jp/

 



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