【マロニエBIM設計コンペみやぎ】最優秀に安井事務所の海本さんら 日事連 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

公式ブログ

【マロニエBIM設計コンペみやぎ】最優秀に安井事務所の海本さんら 日事連

最優秀の「ふいに『みる』」


 日本建築士事務所協会連合会が主催する「マロニエBIM設計コンペティション2022inみやぎ」の公開2次審査会が26日、仙台市内で開かれ、海本芳希さんと梅本晟司さん(ともに安井建築設計事務所大阪事務所)の「ふいに『みる』」が最優秀賞(国土交通大臣賞)に選ばれた。

 同コンペは、14年度に栃木県建築士事務所協会が学生向けにBIMの普及と技術向上を目的に創設した。その後、建築事務所所員も対象に加え、日事連と連携して全国に門戸を広げ、今回は初めて宮城県で開催した。開催県の宮城事協(高橋清秋会長)が事務局を務め、栃木・福岡両事協と共催した。

 コンペのテーマは「青葉山公園に杜の都のスポーツ文化を象徴するデザインの提案」に設定した。仙台市の歴史・文化を育んできた青葉山公園を舞台に、BIMを活用する利点を盛り込みながら、自然景観に配慮した仙台のスポーツ文化を象徴する仮想空間のデザイン提案を求めた。

 審査は建築家の藤本壮介氏(委員長)ら8人が担当した。この日の公開審査では、個人やグループなどからなる1次審査通過者9者の代表者によるプレゼンテーションとBIMの活用方法や計画の実現性などに関するヒアリングを経て各受賞作品を選定した。

 「ふいに『みる』」は、同公園内の五色沼が冬季に天然のアイススケートリンクとして地域住民に親しまれていた歴史を踏まえ、市民がスポーツを“する”“みる”空間をつくるとともに、BIMデータを活用したアプリを構築して行為を誘発する仕組みを盛り込んだ。建築計画では、敷地手前にある地下鉄駅から敷地奥の緑地公園までの軸線沿いに複数のスポーツをする場を配置した。併せて、これらの各空間を眺められるように周囲をすり鉢状に盛土するほか、カフェやコワーキングスペースなどを設けることで、観戦・応援や散歩時の風景などとして“みる”ことを実現する。空間の温度や人口密度などの収集データをBIMデータと組み合わせてデジタルツインの可視化データを閲覧・共有できるアプリも提供し、人の動きの誘導やにぎわいなどにつなげることを計画した。

 同作品について藤本審査委員長は講評で「アプリとの相乗効果で人を呼び込む工夫があり、最優秀賞にふさわしい作品だ。プレゼン能力も高かった」と評価した。

 受賞後、海本さんと梅本さんは「若手所員でチームを組んで構想を練ってきた。事務所として連覇を達成できてうれしい」と喜びを語った。

 最優秀賞以外の受賞者は次のとおり(発表者、敬称略)。

 〈優秀賞・日事連会長賞〉小野将人、山ノ井太陽(ともに麻生建築&デザイン専門学校)。

 〈同・宮城県知事賞〉金子竜太郎、山田一眞(ともにAIS総合設計)。

 〈同・仙台市長賞〉門脇悠、David Coyle(ともに関・空間設計)。

 〈奨励賞〉祷凛太朗、平岡樹弥(ともに麻生建築&デザイン専門学校)▽高橋朋、高橋和佳奈(ともに安井建築設計事務所東京事務所)▽川見肇、齋藤広務(ともに本澤建築設計事務所)▽加々美理沙(ingenhoven architects)▽加藤穂高(福井大大学院)。

 〈審査委員長特別賞〉加藤穂高(福井大大学院)。


【公式ブログ】ほかの記事はこちらから


建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら