【記念シリーズ・横浜市公共建築】第66回 旧円通寺客殿 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

横浜市公共建築100年

【記念シリーズ・横浜市公共建築】第66回 旧円通寺客殿

◆書院や数寄屋風の意匠

江戸時代後期から末期に建築されたかやぶき屋根の旧円通寺客殿は、同じ敷地内に祀られていた東照宮への参拝に訪れる上客を迎える客殿として使われていたと考えられている。5.5間(1間=約1.82m)四方の主体部に2.5間×2間の式台玄関を突き出した平面形状で、書院や数寄屋風の意匠を取り入れている。明治維新後、廃仏毀釈(仏教文化の排斥)により廃寺になった後は、円通寺(東照宮の別当寺)の住職・木村家の主屋として使われた。

1997年に横浜市認定歴史的建造物の認定を受け、2016年に特定景観形成歴史的建造物に指定された。

現在は、22年4月に開園した金沢八景権現山公園の公園施設として保存・活用している。旧円通寺境内への公園整備に際しては、旧円通寺客殿を解体・調査・保管した上で、解体した部材を使い、復元した。

規模は木造平屋建て143㎡。設計者・施工者は不詳。

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