【最大規模の鉄道工事研修施設】宮城県名取市に25年春供用 仙建工業 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【最大規模の鉄道工事研修施設】宮城県名取市に25年春供用 仙建工業

完成イメージ図


 仙建工業(仙台市、中村知久社長)は、鉄道工事の研修機能を強化する。29日、仙台市内から宮城県名取市に移転・整備する「(仮称)総合研修センター建設工事」が同社の設計施工で本格着工した。2025年4月の供用を目指している。完成すれば、鉄道工事企業の研修所としては最大級の規模となる。

 新しい施設は、現センターが手狭となったため、名取市下増田字屋敷115-2にある震災に伴う防災集団移転跡地約4.8haに移築する。現施設に比べて敷地や軌道の長さを大幅に拡大することで、「特殊運転者(MC)」「軌道機械操作者」などの資格を自社で取得できる環境を整える。

 新センターは新幹線の軌道長さ約150m、在来線の軌道約300mをはじめ、プラットホームや踏切設備、トンネル、跨線橋、研修庫などのほか、S造2階建て延べ3000㎡程度の研修・実習棟などで構成する。鉄道施設は実寸とし、点検・メンテナンス技術などを習得できるようにする。跨線橋などは工程が学べるように、施工中の状況にとどめる予定だ。

 現地で開かれた安全祈願祭には、同社の中村社長、藤井直取締役執行役員仙台鉄道支店長、遠藤秀紀取締役執行役員仙台支店長、菅原正幸執行役員建築部長のほか、永井康裕JR東日本東北本部設備部長、山田司郎名取市長らが出席した。

 神事では菅原部長が鎌入れ、中村社長と永井部長、山田市長が鍬(くわ)入れ、藤井支店長と遠藤支店長が鋤(すき)入れを行った後、代表者が神前に玉串をささげて工事期間中の安全を祈願した。

 中村社長は「これまでオペレーターはJRの協力のもと、夜間の短い時間に養成してきた。今後は日中に実際の線路や上屋、構造物に触れながら優秀な技術者・技能者を効率的に育成することができる。担い手不足に対応し、東北地域の鉄道を守る使命を果たしていきたい」と話している。

 我妻敏浩工事担当所長の話 「土木、建築両部門と連携しながら各施設を高品質に仕上げる。空港に近いことから、空港と協議しながら施工を進め、無事故・無災害で完成させたい」


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