【ベネチアに資源循環の茶室展示】現地の緯度を利用、日射遮断/三菱地所設計 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【ベネチアに資源循環の茶室展示】現地の緯度を利用、日射遮断/三菱地所設計

建築材料にはパスタやコーヒーかすなどの食品性廃棄物、再生紙を利用


 三菱地所設計は、イタリア・ベネチアのジャルディーニ・マリナレッサ庭園にパビリオン「ベネチ庵」を展示している。現在、同国で開催中のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展における「TIME SPACE EXPERIENCE」で発表した茶室で、サーキュラー・エコノミー(循環経済)の実践・実証として食品性廃棄物を活用したほか、解体後の家具へのアップサイクルなどを計画している。

 「ベネチ庵」は、1700×1700×1700mmの寸法で、紙などに利用するミウラ折りの折り目を線材化して積層したフレーム構造となる。茶室内への日射を適切に導入し、遮蔽(しゃへい)するため、ベネチアの緯度(45度)を基本としたフレーム構成とした。これにより5-11月の展示期間中、内部に届く日射量を半分程度まで遮断できる。

 建築材料には、パスタやコーヒーかす、ワインのコルク栓といった食品性廃棄物や再生紙を活用しており、軽量であるため人力で運搬ができる。水に弱い素材を屋外展示として活用するため、自然界に存在するケイ素を原料とした超越液を部材ごとに調合し塗布して耐水加工を施した。

 「ベネチ庵」は、約半年間の展示期間終了後に解体し、家具化することを前提に設計している。所有希望者には、オンライン上で自分が希望する形状をつくってもらい、NFT(非代替性トークン)化した組み立て図とセットで部材を提供する。この際、3Dデータも提供し、3Dプリンターなどを利用してパーツを作成・拡張することもできる。

 

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