【鹿島の横浜環状南線のトンネル工事、世界最大級の断面積掘削完了】 | 建設通信新聞Digital

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【鹿島の横浜環状南線のトンネル工事、世界最大級の断面積掘削完了】

◆分割施工と機械大型化 切羽を早期安定

 鹿島は、NEXCO東日本発注の「横浜環状南線釜利谷庄戸トンネル工事」(横浜市)で、NATMで施工する道路トンネルとしては世界最大級の断面積となる485㎡の掘削を完了した。従来のトンネルを上下に分割して掘削する方法では切羽の安定性に懸念があったことから、トンネルの上部を2分割して施工する上半2分割掘削と仮インバート閉合を採用。さらに、ブームを延長するなど重機を大型化改造して左右2台編成で施工することにより、超大断面の安全かつ効率的な掘削を実現した。

掘削断面の様子(3月)


 上半2分割掘削では、上半の上部掘削後、上半の下部掘削に先行してコンクリートを吹き付けることで、切羽の開放時間を短縮し、安定性を高めた。上半の下部掘削後には、半円形となっているトンネル断面を早期に円状にし構造的に安定させる仮インバート閉合を行うことで、トンネルの変形を抑制し、切羽の安定性を確保した。

 施工機械は効率性向上のための大型化に加え、住宅密集地である周辺環境に配慮し、施工中の騒音・振動の低減を目的として低振動型に改造して使用した。

 鹿島・前田建設・佐藤工業JVが施工する同工事では、釜利谷JCTとの接合部から環状4号線との交差部までの約1㎞の区間に7本のトンネル(総延長3946m)を構築する。4本のトンネルが最小離隔60cmで並ぶ「4連区間」、2本のトンネルが分岐・合流し大断面トンネルとなる「分合流区間」、最小1.7mという低土被りのく形トンネルとなる「低土被り区間」の3区間で構成する。

 今回、485㎡の断面を掘削したのは、分合流区間上り線トンネルの一部で最大幅は29m、最大高さは20mとなる。今後は、上り線トンネルの隣に最小離隔1.0mの位置で掘削断面積370㎡となる下り線トンネルを施工する。

 

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