【施工前の建物メタバースとBIMで可視化】大和ハウスら3社が開発 | 建設通信新聞Digital

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【施工前の建物メタバースとBIMで可視化】大和ハウスら3社が開発

メタバースのイメージ。建設地に3Dモデルを 投影し確認しているところ

 大和ハウス工業、南国アールスタジオ(東京都渋谷区、秦勝敏代表取締役)、トラス(千代田区、久保田修司代表取締役)のグループ3社は、BIMを使って作製した建物の3次元モデルを、XR(あらゆる仮想現実)技術でメタバースとして可視化する技術を開発した。9月から、大和ハウス工業が建設する商業施設や事業施設で検証を進めて順次導入し、適応する事業領域を広げたい考え。

 メタバース「D’s BIM ROOM(ディーズビムルーム)」は、建物のBIMデータと、トラスが提供するクラウド建材管理システム「truss(トラス)」で選んだ建材を、南国アールスタジオが展開する企業向けのメタバースプラットフォーム「WHITEROOM(ホワイトルーム)」で連携し、メタバースとして表示するもの。パソコンやタブレット、ヘッドマウントディスプレーといったデバイスを使い、建物の建設予定地でディーズビムルームに入ると、実寸大の外観イメージや色味、周辺環境との距離感をリアルに近い形で体験できる。

 ディーズビムルーム内で建物に入ると、建材の位置や内装の色などを再現できるため、関係者間のスムーズな意思疎通に役立つ。打ち合わせで決定した内容はBIMやtrussに瞬時に反映され、手戻りの削減効果があることから、企画・設計・施工の過程での共同作業を効率化する。

 同じメタバース内には最大50人までアバターとして参加できる。VR(仮想現実)とMR(複合現実)の双方に対応し、使うデバイスによって使い分けられる。

 22日に大和ハウス工業の東京本社で行われた記者発表会で、同社の吉川明良東京本社技術統括本部建設DX推進部建築系設計グループグループ長は、ディーズビムルームの今後の展望について「(ディーズビムルームの)追加開発も加えながら、2024年7月をめどに全国どの物件でも使える環境を構築する。また、設計だけでなく施工段階での活用も検討している。例えば、施工検討の仮設計画などに使える可能性がある」と話した。

 

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