【九州北部豪雨】TEC-FORCEが国交相に活動報告 被害取りまとめに貢献 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【九州北部豪雨】TEC-FORCEが国交相に活動報告 被害取りまとめに貢献

 2017年7月九州北部豪雨の災害発生直後から現地に入ったTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)は20日、自治体が管理する道路や河川などの施設の被災状況調査の活動内容を石井啓一国土交通相に報告した。報告を受けた石井国交相は「早い段階から被害状況の調査や道路啓開など被災地域の支援に大車輪で活躍した様子が伝わってきた。特に被災自治体に代わって、被災状況調査を行ったことが、激甚災害指定に必要な被害の取りまとめに大きく貢献した。1日も早い復旧・復興に今後も活躍を期待する」と隊員たちをねぎらった。
 TEC-FORCEは、福岡、大分両県の11市町村で活動し、20日までに約1200カ所で被害状況を調査した。自治体への復旧工法などの企画・提案を行ったほか、捜索機関への技術的助言、早期復旧に必要な被害の取りまとめを支援した。橋台が大きく損傷した国道211号では、孤立地域の解消に向けて、道路啓開を実施し緊急車両の通行を確保。2次災害防止に向けて土砂災害危険個所約570カ所で緊急点検も支援した。
 九州北部豪雨は、山間部などでの被害が大きく、被害の全容把握が非常に難しかった。そこで、国交省や国土地理院が保有するUAV(無人航空機)のうち、10数台を投入し、上空調査に活用。流木の調査や河道閉塞(へいそく)の状況把握などに大きな効果を発揮した。安齋徳夫先遣隊隊長(関東地方整備局企画部工事品質調整官)は「流木の被害が非常に大きいと感じた。現地ではまだ多くの隊員が活動しており、引き続き全力を尽くして、復興の一助になればと考えている」と述べた。
 今回のTEC-FORCEは活動を開始した6日から20日までで、延べ2801人・日を派遣。16年に北海道と東北を襲った台風10号時の派遣規模を近日中に上回る見通しで、TEC-FORCE発足以来、風水害では2番目の派遣規模となる。

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