【現場で働く女性アンケート】現場復帰希望が3割増加 制度・環境整備の必要性浮彫りに | 建設通信新聞Digital

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【現場で働く女性アンケート】現場復帰希望が3割増加 制度・環境整備の必要性浮彫りに

日本建築仕上学会女性ネットワークの会

 日本建築仕上学会女性ネットワークの会(熊野康子主査)は21日、東京都台東区の東京都美術館で第4回講演会を開いた。2回目となる「建築現場で働く女性のアンケート」の速報が報告され、2015年度の前回調査に比べて「社内の他部署に異動を希望」が減る一方、「子どもの成長に応じて現場に復帰したい」が3割近くに増えており、現場で働き続けたいという女性の環境整備の必要性が浮かび上がった。
 アンケートは5-6月にかけて実施。ゼネコンや専門工事業、住宅施工、設計事務所など6カ月以上建築現場に勤務経験がある女性171人が回答した。
 現場の状況では「トイレは男女別」と回答したのが70%で前回調査の15年時とほぼ同程度。休憩スペースについては「自分の机」が70%を占めたほか、「女性専用休憩エリアがある」は12%、「個室休憩場所」があるのは2%だった。
 作業服については「男女同じ」が前回の40%超から10%に減少。「男女別のデザイン」は約25%、「女性専用サイズ」は約60%にそれぞれ増えた。作業服の気になる点は「汗じみ」「サイズ」「暑さ」の順で多かった。
 保護具で使いにくいものは35%超が「安全靴」と「安全帯」を挙げた。理由は約30%が「フィットしない」と「重い」とし、続いて「サイズが大きい」としている。
 働き続けるために必要なことでは、「フレックスタイム勤務」に次いで「完全週休2日」「会社の評価制度」「在宅勤務」「男性管理職への啓もう」「責任ある仕事」の順だった。
 これらを踏まえた意見交換では、鳥生由起江大和ハウス工業人事部ダイバーシティ推進室次長は113人の女性監督のうち20人が子育てをしており、その半分が育児休業中だとした上で「(妊娠・出産を経験して現場監督に復帰する女性が)数年前に比べて増えている」と紹介。
 黒嶋敦子熊谷組経営企画本部ダイバーシティ推進室担当副本部長は「働く環境を整えることが第一であり、力を最大限発揮できる制度と、周りの人が意識を合わせる必要がある」と強調した。
 作業服についてはミドリ安全営業統括本部ユニフォーム統括部の大澤麻美さんが、マタニティー作業服などを紹介しつつ、「UVカット機能や脇汗防止用のパッドなど改善に取り組んでいきたい」と語った。

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