【第一生命】仙台"黒ビル"を建替/設計協力は竹中 | 建設通信新聞Digital

5月9日 木曜日

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【第一生命】仙台“黒ビル”を建替/設計協力は竹中

仙台第一生命ビル完成イメージ


 第一生命保険は、仙台市中心部にある仙台第一生命ビル(通称・黒ビル)を建て替える。規模は明らかにしていないがS造地下1階地上13階建て高さ60m程度となる見通しだ。設計協力として竹中工務店が参画している。せんだい都心再構築プロジェクトを活用し、2025年度にも現ビルの解体に着手し、26年から新築工事を進める予定だ。市の新本庁舎の竣工にあわせて2028年ごろの完成を目指す。4日に開いた同市との連携協定締結式で明かした。

 竹中工務店の設計施工で1970年に完成した仙台第一生命ビル(青葉区国分町3-1-1)は、SRC造地下1階地上10階建て塔屋4層延べ1万1110㎡の規模。東北地方で初めてガラスカーテンウォールを採用するなど、その外観から“黒ビル”として市民に親しまれる。

 その老朽化が進む中、周辺では市が本庁舎や市民広場を含む勾当台公園・定禅寺通再整備などの勾当台・定禅寺通エリアで公共施設の一体的な整備を計画。こうした動きを踏まえ第一生命は、同ビルの建て替えを契機に、相互の連携を深め、相乗効果を生み出し、地域の魅力・価値向上につながる取り組みを進めるため、市との協定を結んだ。

 協定に基づく取り組みとして、市道の付け替えによる「つなぎ横丁」の拡幅や、公園トイレを新ビル建物内に配置するなど、周辺と一体的に再整備することで街路・公園スペースを拡充する。

 新ビル低層の1―2階は立体的にオープンスペースを整備することで、にぎわいや憩いの場を創出する。また、各種エリアマネジメント活動やイベントなどの取り込みを積極的に進め、周辺エリアの魅力・価値向上を進める。

 3階以上は、新時代にふさわしい環境・ウェルネス性能を備える高規格オフィスとし、都心の都市機能向上に貢献する。さらに脱炭素化に向けた取り組みや質の高い緑化、ワーカーの創造性・生産性向上につながる豊かなリフレッシュ性能を備えた、快適なワークプレイスを提供する。

 締結式の中で隅野俊亮社長は「黒ビルが新たなハードの在り方を追求した挑戦であったならば、今回はハードの部分と空間利用の仕組みづくりなどのソフトの掛け合わせによってまちににぎわい、つながりを生み出そうとする次世代に向けた新たな挑戦だ」と強調した。郡和子市長は「連携により、エリアの魅力がさらに向上し、周辺一体のにぎわいがさらに大きなものとなることで、選ばれる仙台の都心を実現したい」と期待を寄せた。

 

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