【複数建機を自動運転】新丸山ダム本体建設現場で実証実験/中部地整と大林組 | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【複数建機を自動運転】新丸山ダム本体建設現場で実証実験/中部地整と大林組

自動運転による土砂の積み込み


 中部地方整備局新丸山ダム工事事務所と大林組は12日、岐阜県八百津町と御嵩町に建設している「新丸山ダム本体工事」の現場で、複数建設機械による自動運転の実証実験を公開した。自動自律施工システムの実用化に向けた実験で、今回は複数の建設機械が連携して自動で稼働し、土砂の積み込みと盛土作業を行った。

 同工事では、建設DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性向上に積極的に取り組んでいる。ダム本体や設備、周辺の地形、地質などのデータを統合したCIMモデルを活用するほか、骨材の製造からコンクリート打設までの一連の工程で自動・自律化を図る自律型コンクリート打設システムの実用化を目指している。

新丸山ダム工事事務所内のDXルーム


 1956年に完成した丸山ダムの建設では、ピーク時に作業員を3000人動員したが、同工事では、建設DXを駆使して250人程度に抑えることを目標に掲げる。

 当日は国土交通省や受注企業の関係者、報道機関など約60人が参加した。ダンプやバックホウ、ブルドーザ、振動ローラがそれぞれ自動で稼働し、土砂の積み込みと盛土を行う様子を見学した。遠隔臨場や工事の進捗(しんちょく)を確認するために同事務所内にDXルームも開設した。

 同事務所の加納啓司所長は、「一気通貫の自動・自律化により、短い期間で仕上げることができ、少ないお金や人で大きな効果を出すことが期待できる」と強調した。

 大林組の渋谷仁執行役員ロボティクス生産本部長は「必然的に人的災害がゼロになる。生産性とともに安全性の向上を目指す」と述べた。

 新丸山ダムは既存の丸山ダムをかさ上げし、機能を向上するダム再開発事業。本体建設第1期工事は大林組・大本組・市川工務店JVが担当する。2021年12月から本体工事に着手し、基礎掘削を進めている。

 

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