【清水建設】前例のないRC造・現代建築を保存修復! 村野藤吾設計の重文「世界平和記念聖堂」 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

公式ブログ

【清水建設】前例のないRC造・現代建築を保存修復! 村野藤吾設計の重文「世界平和記念聖堂」

 清水建設は21日、広島市内で工事が進む「世界平和記念聖堂保存修理工事」の現場で、アナリスト向けのIR現場見学会を開いた=写真。建築家の村野藤吾が設計を手掛け、国の重要文化財にも指定されいる施設外部と内部の保存修理の様子を見学した。
 見学会では、同社広島支店の野津田義幸工事長が「当社は、聖堂建設からその後の3回にわたる保存修理工事すべてに携わってきた。2006年、重要文化財に指定されてから初めての補修工事だが、皆さんのご希望に添うべく、わが社の経験と技術力を生かし、全社を挙げて取り組んでいきたい」とあいさつし、今回の工事内容を解説した。
 見学者一行は、ステンドグラス修理やドーム天井改修などを行う大聖堂内を見学したほか、高さ45mの鐘塔に登るなど、聖堂に込めた平和への願いや歴史に触れた。
 世界平和記念聖堂は、原爆の爪跡が残る1954年に建設され、60年以上が経過している。過去3度にわたり保存修理を実施してきたが、重要文化財の指定を受けた後、将来に受け継いでいくためにはさらなる耐震補強を含めた保存修理が必要であることが分かり、昨年11月から工事着手。戦後に建てられた現代建築のRC造で、かつ重要文化財の大規模な保存・修復の事例がない難工事に挑んでいる。
 工事着手以来、ステンドグラス補修や地盤改良工事などを進め、外周の足場設置に入るなど、外壁補修や屋根改修(銅板屋根)などの工事本格化に向け、着々と作業が進んでいる。今回の保存修理の設計は文化財建造物保存技術協会が担当した。18年12月28日の完成を予定している。
 前日の20日には、山口県岩国市で建設中の平瀬ダムの現場を訪ね、さまざまな生産性向上策に取り組み、大幅な工期短縮を実現した大規模土木現場を見学した。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら