
木下CEO
同社では、2020年11月に建設業特化型ARアプリ『TerraceAR』をリリースした。iPhoneやiPadで手軽にARを実現できるアプリとして評判が広がり、この1年間で全国のユーザー数が大幅に増加している。BIM/CIMなどの3次元モデルを有効活用して、現場での空間情報を共有する手段として注目を集める。
オペレーターへの合図(ジェスチャー)をAIが認識するAI姿勢検知システム『AI’s』は、23年末にNETIS登録された。こぶし建設(岩見沢市)と共同開発したもので、建機に取り付けたAIカメラが合図者の意図を理解して、接触防止をはじめ、現場でのジェスチャーコミュニケーションを円滑にし、他にはない斬新なAIの活用法を提示した。
さらに、iPhoneのLiDARを活用するアプリとして、萩原建設工業(帯広市)と共同開発したLiDARを活用した現場計測アプリ『ConstLiDAR』は、画面をタップするだけの簡単な操作で、数量計算や丁張り設置の補助ツールとして手軽に活用できる。また、同じくLiDARを活用した除排雪量計測アプリ『NorthCan』は、検証によると除排雪作業において生産性が約50倍、安全性の向上も図れることが確認された。木下氏は「24年度は建設テックにおいて大きな変化のある年」と予想。「ソフト面では、生成AIのさらなる発展とともに、いよいよ建設業界に特化・適用していく時期」と話す。
ハード面ではアップル社の「VisionPro」が発売される。「当社のアプリはiOSとの相性もよく、米国で先行発売後、当社でもいち早く取り入れていく」。「また、小型LiDARの発展にも注目している」などと建設業での空間コンピューティングの活用を踏まえ、「共創の精神を大切に、心が震えるほどのわくわくする感性、感動する取り組みをお客さま、パートナーさまとともに体現したい」と先を見据える。
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