地域のインフラを担う中小建設業からも評価が高い。静岡県掛川市を拠点に100年以上の歴史を持つ若杉組(若杉有城社長)は、自社の業務に適したシステムで運用できることが決め手になり、社長のトップダウンで1年前に建設PADを導入した。社内の発注業務を電子化するとともに、ほぼ全ての協力会社が建設PADに参加し、受発注プラットフォームとして業務効率化につなげている。
スムーズに普及した理由の一つに若杉社長は「スマートフォンのブラウザで作業できること」を挙げる。スマートフォンはほとんどの協力会社に普及し、建設PADを開けば簡単に作業できる。電子化することで印紙代が不要になり、コストダウンや購入の手間がなくなるメリットも大きい。
実務面は、「パソコンやスマートフォンで取り引きし、プロジェクトごとに契約書、注文書、請求書などを一元的に保管するため書類を見つけるのが楽になる」という。紙の時代は保管場所が分散したり、デジタル化しても保管したフォルダが分からなくなることもあるが、建設PADに統一すれば保管場所として明確だ。検索機能も使える。「担当が変わっても引き継ぎが簡単になる。休んでも別の人が対応しやすい」という。
静岡県は電子契約を拡大しており、契約業務の電子化への対応が今後必須になる。同社は建設PADによる業務効率が上がるようカスタマイズを進めており、若杉社長は「より使いやすいシステムにすることで地域の建設会社に広め、電子化が進むようにしたい」と語る。
青木CEOは「建設PADがより使いやすいシステムになるようアドバイスをもらっている。開発にフィードバックし、より多くの建設企業に喜んでもらえるようブラッシュアップしたい」と意欲を見せる。