新潟、富山建協も支援/建コン北陸支部は調査実施 | 建設通信新聞Digital

5月13日 月曜日

能登半島地震リポート

新潟、富山建協も支援/建コン北陸支部は調査実施

「令和6年能登半島地震」の被害が深刻化していく中、社会インフラの緊急復旧に関する支援の輪が広がりつつある。新潟、富山両県の建設業協会は北陸地方整備局からの要請を受けて、会員を被災地に派遣。道路の段差解消を実施し、円滑な通行確保に貢献している。また、建設コンサルタンツ協会北陸支部や日本補償コンサルタント協会北陸支部は各種調査、日本建設機械施工協会(JCMA)北陸支部は建機整備を担当している。
 新潟、富山の2建協は、同局との 「災害対策車両等の出動等に関する協定」に基づいて、 発災直後に排水ポンプ車や給水車のオペレーターを石川県七尾市やかほく市、珠洲市に派遣した。
 これらに加えて、 今回は地震動で生じた道路の段差を補修・修繕するため、 会員企業の社員が現地で作業に当たっている。
 建コン北陸支部は災害応急対策業務の一環として測量調査、補償コン北陸支部は公図などの転写や土地登記記録調査、権利者確認調査、用地図の作成を進めている。
 JCMA北陸支部は、災害現場で稼働中の災害対策用機械の整備作業を実施している。
 このほか、石川県建設業協会や日本建設業連合会は道路啓開、日本埋立浚渫協会が緊急復旧、北陸地質調査業協会富山支部が液状化調査などに従事している。

◇復旧現場の過酷さ 状況あらわに
 県道の道路啓開に携わる石川建協の会員からは、過酷な現場環境を背景とした労苦の声が漏れ聞こえる。ある協会員は「24時間態勢に備えて食料や飲み物、燃料は自前で用意できるが、トイレはそうはいかない。どうやって対応しているかは想像のとおりだ。若い人には難しいので、50歳以上の社員の経験値に頼っている」と明かす。
 さらに「現在置かれている状況だけを見れば、避難者より作業者の方がつらいかもしれない」とし、地域建設業が抱く使命感によって緊急復旧が支えられている側面が浮かび上がっている。
 行政機関や協会内の指揮命令系統、情報伝達の不明確さが、啓開作業に支障を来しているとの意見も少なくない。
【2024年1月18日付紙面掲載】