三菱地所は15日、福岡市中央区天神地区で計画している「(仮称)天神1-7計画」に着工した。天神地区の老朽化した民間ビルの再開発を促す福岡市の「天神ビッグバン」の容積率緩和措置を活用し、2021年8月に閉館した同社初の都心型商業施設「イムズ」跡地にホテルやオフィス、商業施設などで構成する複合施設を建設する。設計は三菱地所設計。施工は大林組が担当。26年12月末の完成を予定している。 同日に開かれたプロジェクト発表会には、三菱地所の中島篤社長、草野重徳九州支店長、高島宗一郎福岡市長、九州初進出となる「エースホテル」を出店するエースグループインターナショナルのブラッド・ウィルソンCEOが出席。中島社長は「本日、無事着工を迎えることができた。福岡の人に愛され、まちの魅力を高める施設をつくるとともに、この計画を通して福岡のまちづくりに貢献したい」と語った。
来賓を代表してあいさつした高島市長は「天神ビッグバンが目指す災害に強い安全・安心なまち、若い人をはじめ多くの人が自己実現できて大きな夢がかなうまち、そんな新しい福岡の姿を象徴する素晴らしいビルが完成することを心待ちにしている」と祝辞を述べた。
施設規模はS・SRC造地下4階地上21階建て延べ約7万3960㎡。地下3、4階が駐車場と機械室、地下2-地上2階が商業施設、地上1-3階がホテル、3-5階と7-15階がオフィス、16-20階が客室数192室のホテルとなる。
オフィスは、総面積約8000坪、基準階床面積約790坪の無柱空間とし、3階角部にカフェを併設した一部2層吹き抜けのオフィスエントランスを設けるなど、天神の新たなランドマークとなるオフィスを目指す。
また、九州産の木材を使った建物外装の木質化、600㎡を超える建物低層部への緑地整備などの各種取り組みにより、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Oriented、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)福岡Aランク取得を予定している。建設地は中央区天神1-326-1ほか。