【湯川秀樹旧宅改修が竣工】京大「下鴨休影荘」/設計は安藤忠雄建築研、長谷工グループが寄付・施工 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【湯川秀樹旧宅改修が竣工】京大「下鴨休影荘」/設計は安藤忠雄建築研、長谷工グループが寄付・施工

外観

 長谷工コーポレーションが取得し、京都大学に寄付した後、安藤忠雄建築研究所が設計、長谷工グループの細田工務店が施工した「湯川秀樹博士旧宅」の改修工事が完了し、5月17日に竣工式を開いた。

(左から)安藤氏、湊総長、辻会長


 式典終了後、京都大学で開いた会見で湊長博京大総長は「『下鴨休影荘』として、湯川博士の功績を後世に伝えるとともに、学術、文化について語り合う場として活用していきたい」と述べた。

 長谷工コーポレーションのつじ(一点しんにょうの辻)範明取締役会長は「歴史的価値が高い建物の改修・寄付に携わることができ、大変名誉に思っている。有意義に活用してほしい」と語った。

 建築家の安藤忠雄氏は「改修では、歴史的建築物に新しい要素を盛り込んだ。文化の力を世界に示すことを意識して取り組んだ」と話した。

 施設は、日本初のノーベル賞受賞者である湯川博士が晩年を過ごした旧宅。近年までは親族が住んでいたが、建物が老朽化し、維持することが困難となっていた。

 博士の功績を後世に伝えるとともに、科学の発展や人材育成拠点として活用したい意向を持つ京大が安藤氏に相談。安藤氏から紹介を受けた長谷工コーポレーションが旧宅を取得し、2021年8月に京大に寄付した。改修工事は細田工務店が務め、協力業者として安井杢工務店が参画した。

母屋から望む庭


 その後、座敷や書斎兼応接室、主庭などを残しつつ補修・補強したほか、木造軸組工法による増築も実施し、新たな現代木造建築として再構築する改修を行った。

 改築後の規模は木造2階建て延べ358㎡。所在地は京都市左京区下鴨。

 

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