日本大学は、4月に公告した「日本大学医学部校舎建替の設計・監理業務」のプロポーザルを実施した結果、内藤建築事務所に決めた。契約金額は5億9950万円(税込み)。提案書によると、新学部棟は延べ1万6500㎡で、改修や解体、外構を含む概算想定工事費は129億8225万5000円とした。
ECI(施工予定技術者事前協議)方式を採用し、2025年5月末まで基本計画・基本設計、同年6月から26年2月まで実施設計、25年6月から9月末まで施工予定者選定、同年10月から26年4月まで技術協力、同年7月の着工を目指す。監理を含む履行期間は34年3月末まで。
プロポーザルの次点はエイアンドティ建築研究所だった。このほかSSC(共同企業体)が参加した。
内藤建築事務所の提案書によると、建物規模と概算金額の内訳は、新学部棟(耐震)が地下1階地上6階建て延べ1万6500㎡で107億0850万円、空中歩路が延べ2000㎡で6億6000万円、社会医学棟(延べ1800㎡)の改修が7億7220万円で、看護専門学校、看護師宿舎、学生部室棟、体育館、プールの解体費に3億5942万5000円、4383㎡の外構費が4億8213万円とした。
新学部棟は南北に長い敷地の南側に配置し、起伏のある高低差を最大限生かした環境配慮型の新医学部キャンパスとする。建物中心部に「アカデミックキャニオン」と名付けた吹き抜け空間を設け、外縁部に社会医学系、実習教室、実習講堂、看護学校、講堂教室、部室などを設ける。自然換気、自然採光、ソーラーパネルを採用し、ラーニングコモンズには井水を利用した輻射空調などを導入する。
構造は、資材搬入の施工性が期待できるハイブリッド構造(RC柱+PC梁・S梁)でロングスパンの架構とする。基礎は、プレボーリング拡大根固め工法を提案した。校舎北側のアカデミックホール部分は、エキスパンションジョイントによる単独構造とし、四隅のL型フレームで自由度の高い構造を実現する。大地震時の保有水平耐力確認用の層間変形角を200分の1とする。
ECIによる施工に向け、近隣で建て替えを予定している新附属病院のプロジェクトチームと、校舎の設計技術者、プロジェクトマネージャーによるプロジェクトチームを立ち上げる。BIMの活用など“対話の設計”を心掛け、手戻りのない設計手法とコストマネジメントを徹底する。コストが予算超過となった場合、コスト調整会議などで予算内に収めるとしている。
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