【防災環境都市の拠点】本庁舎の高層棟着工/仙台市 | 建設通信新聞Digital

5月1日 木曜日

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【防災環境都市の拠点】本庁舎の高層棟着工/仙台市

完成イメージ模型


 仙台市の市役所本庁舎整備第1期工事が26日、大林組・鉄建建設・仙建工業・深松組JV(建築本体)らの施工で本格着工した。2期に分けて現地で建て替えるもので、1期は敷地南側に新本庁舎となる高層棟を建設する。2027年11月の完成、28年度の供用開始を目指す。2期工事の低層部を含めた全体完成は30年度を予定している。

 強電はユアテック・福興電気・塚田電気工事JV、弱電は太平電気・産電工業JV、給排水はアトマックス・加納工業所JV、昇降機は三菱電機ビルソリューションズが施工する。空調は再々公告した一般競争入札の手続き中で未定となっている。設計・監理は石本建築事務所・千葉学建築計画事務所JVが担当している。

 高層棟の規模は、S一部SRC・RC造地下2階地上15階建て延べ5万9874㎡で、免震+制震ハイブリッド構造を採用する。地下2階が地下鉄などとの連絡通路、地下1階は駐車場、地上1-2階は市民利用・情報発信機能、3階は機械室、4階は災害対策機能などで、5-13階は行政機能、14-15階は議会機能などで構成する。

 青葉区国分町3-7-1の現地で開かれた起工式は、郡和子市長と橋本啓一市議会議長をはじめ、長尾昌高石本建築事務所社長、千葉学千葉学建築計画事務所主宰、蓮輪賢治大林組社長兼CEO、伊藤泰司鉄建建設社長、中村知久仙建工業社長、深松努深松組社長、太田良治ユアテック取締役社長社長執行役員らが出席。鎌入れを長尾社長と千葉主宰、鍬入れを郡市長と橋本議長、鋤入れを蓮輪社長が行った後、代表者が神前に玉串をささげて工事の安全を祈願した。

 席上、郡市長は「市民・まちとともに新たな時代に向けてチャレンジする市庁舎としたい。東日本大震災などの経験や景観、自然に配慮した防災環境都市・仙台にふさわしいまちづくりの中枢拠点になる。施工者の優れた技術力と豊富な経験を生かして完成させてほしい」と語った。

 設計者を代表して長尾社長は「仙台のシンボルとして市民に長く愛される庁舎を念頭に設計した。仙台らしさを凝縮し、まちの魅力を再発見できる場を考えた」とし、複数の広場で構成する低層部などの設計概要を紹介した。

 施工者代表の蓮輪社長は「当社が3代目となる現庁舎を施工してから60年以上が経ち、市のランドマークとなる4代目にも再び携われることを喜ばしく思う。各JVと一致団結して技術力を結集し、関係者と連携しながらに安全第一で高品質なものづくりに務めたい」と決意を示した。

 星野明弘建築JV統括所長(大林組)の話 「アナログとDX(デジタルトランスフォーメーション)をバランス良く融合させ、生産性向上と省力化を図って10年先を見据えたモデル現場としたい。防災無線などに干渉しないクレーン配置や、市街地として周辺の環境などに配慮しながら無事故・無災害で完成させたい」


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