大阪府と大阪市は28日、大阪市役所で第5回新大阪周辺地域まちづくり検討部会を開き、十三駅と淡路駅のエリア計画(バージョン1)の骨子案を示した。「人中心のまちづくり」をテーマに、十三駅では、駅と周辺が一体となった開発でエリアの魅力向上を図る。淡路駅では、柴島浄水場の機能集約によって生み出す用地を中心に、集客機能や住宅機能などを集積し、さらなるにぎわいを創出する。
今後、部会での協議を重ね、2024年度末のエリア計画策定を目指す。いずれも40年の開発事業完了を想定している。
十三駅エリア計画骨子案では、「新大阪連絡線・なにわ筋連絡線新駅プロジェクト」や「駅周辺一体整備プロジェクト」「エリア全体におけるまちづくり」を柱に、ハード整備を検討する。
新大阪連絡線・なにわ筋連絡線新駅プロジェクトは、阪急電鉄による十三駅から新大阪、大阪駅地下ホームをつなぐ新線整備計画で、十三駅の地下にホームを設ける。新線整備が多様な人々を呼び込み、周辺地域や関西広域に回遊を促進して、交流人口の増加が見込めるとしている。
これに連携して実行するのが駅周辺一体整備プロジェクトで、駅上部や地下空間、駅周辺、インフラを総合的に整備し、駅とまちが一体となって、人中心の空間を形成する。地下新駅の直上空間を開発するほか、駅周辺の歩行者ネットワークの整備、滞留機能や交通結節機能の向上を図る。
また、既存の商店街やまちなみと調和しつつ、十三駅周辺の特色を踏まえて多様な機能の導入を検討し、既存建物の建て替えやリノベーションも想定してエリア全体のまちづくりを目指す。
淡路駅エリアの計画骨子案では、阪急淡路、崇禅寺、柴島、JR淡路の4駅に囲まれたエリアを対象とする。現在進行中の阪急の連続立体交差事業を踏まえつつ、柴島浄水場の機能集約によって生み出される約12haの将来開発用地において、土地を高度利用して多種多様な都市機能を導入。周辺の商店街と一体となって駅からまちに人を呼び込み、さらなるにぎわいの創出を図る。
将来開発用地では、民間都市開発による大規模集客施設、業務、商業、住宅の機能を集積させるほか、人々の交流や防災のための広場・滞留空間などのオープンスペースを確保する考えだ。
また、駅や商店街と将来開発用地を結ぶ歩行者動線の整備、エリア内の回遊性向上やエリア間のアクセス性向上のための道路交通ネットワークの形成も図る。