【VRで再開発の合意形成】まちづくりに3D都市モデル活用/目黒区 | 建設通信新聞Digital

6月4日 水曜日

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【VRで再開発の合意形成】まちづくりに3D都市モデル活用/目黒区

再開発後のイメージ


再開発前のイメージ


 東京都目黒区は、市街地再開発事業や都市計画道路の拡幅整備を進める中で、3D都市モデルを活用し、コンピューター上の仮想現実(VR)に、現在と将来の都市空間の整備イメージを立体的に可視化するシステムを構築した。将来の道路整備イメージをVRで共有し、区民など関係者の理解を深めて、まちづくりに向けた合意形成の促進に活用していく。同区で市街地再開発事業でのVR活用は初となる。

 VRで使用する3D都市モデルは、国土交通省が主導する「PLATEAU(プラトー)」をベースに作成している。2024年度の取り組みでは、自由が丘一丁目29番地区市街地再開発事業と都市計画道路補助第127号線拡幅による空間整備イメージまでのVR作成が完了している。

 同区まちづくり推進課の担当者によると、「昨年末に関係者向けにVRデモ版の体験をしてもらった。模型や図面では伝わりづらかった都市空間の整備イメージが、VRを体験することで理解が深まったという声が寄せられた」と自信を見せる。

 従来は模型やイメージパースを使って説明しており、変更のたびに模型などをつくり直していたが、VR技術の活用により、パソコン上で植栽やベンチの位置、歩道の色などを容易に変更できる。模型をつくり直す時間や保管場所が不要となり、費用対効果や時間効率を高められるとしている。

 将来的には、自由が丘地区全体の広範囲にわたるVRの作成を目指す。

 自由が丘一丁目29番地区市街地再開発事業は、23年11月から新築工事に着手している。26年7月の竣工を目指す。参加組合員としてヒューリックと鹿島が参画しており、基本・実施設計は久米設計、施工は鹿島が担当している。規模は、地下3階地上15階建て延べ4万6000㎡。店舗、事務所、住宅などで構成される。

 

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