山口市は、「道の駅『あいお』移転整備事業」の基本設計の概要を公表した。「個性」と「安心」の地域づくりをコンセプトに掲げ、地域内外の双方から求められる交流拠点を目指すとしている。基本設計は三分一博志建築設計事務所が担当した。
設計コンセプトのキーワードである「個性」については、瀬戸内海の大海湾に面しながら、山や水田の風景が残っているという個性を生かし、海辺の田園集落に溶け込む、海と山の双方の魅力を併せ持つ施設として、既存の棚田地形を残した広場の中に「大屋根ひろば」と「にぎわい参道」を設け、各棟から直接アプローチできる配置とする。大屋根広場の形状は、木造かやぶき古民家のような寄せ棟屋根とし、周辺の景観に溶け込んだシンボルとするとともに、施設全体の仕上げ材にできるだけ木材や自然素材を使用することで、温かみのあるデザインとする。
もう一つの「安心」については、防災機能を強化しながら地球環境にも配慮した施設とすることで「今の安心」と「未来の安心」を実現する。そのほか、施設全体を高床とする高潮対策や施設全体への動線のバリアフリー化、大海湾への眺望確保、東からの海風を考慮した自然エネルギー利用などを挙げている。
施設概要は、S・木造平屋建て約2000㎡(A・B棟1101㎡、C棟231㎡、トイレ棟66㎡、大屋根ひろば601㎡)。概算事業費は約20億円を想定している。
今後のスケジュールは、2025年度に実施設計・造成設計をまとめ、26年度から造成工事、建築工事着手、28年秋ごろの供用開始を目指している。
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