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日本建築板金協会(日板協、天野宏昌会長)は、静岡県富士宮市の富士教育訓練センターで第47回全国建築板金競技大会を開いた。大会には技能競技の部に38人、建築技術の部に19人が参加し、日ごろ磨いた技を競った。厳正な審査の結果、技能競技の部は、西部ブロック(岡山県)の溝口隆之氏、建築技術の部は、北海道ブロック(北海道)の片野裕勝氏が優勝した。
大会は3月1日、2日に開催。技能競技の部に参加した選手は、課題となった『置時計』について展開図を描き、銅板を使用して作製に挑んだ。建築技術の部では2世帯住宅のリノベーション計画について施工図・説明文の作成に取り組んだ。
技能競技の部で優勝した溝口氏は8年ぶり3回目の出場。年明けぐらいから練習に本腰を入れ、本番に挑んだ。8年前と比べ「レベルが上がっている」と実感を込め、「15分ぐらい前に完了させたいと考えていたが、5分前から調整など仕上げを行った」と振り返った。板金の仕事の魅力について「簡単に言えば折り紙。やっていて楽しい。深いところまで触ってみたら、とてもやりがいがある」と実感を込める。
2位の西嶋拓也氏は前回に続いて6回目の出場ですべて入賞してきた。「美しさと精度にこだわったが、練習とは環境が違い、自分の思うようにできなかったところが悔しい」と家族が見守る中、高い技術力を披露した。建築板金に携わって10年。若年層には「目標を持って取り組んでほしい。自分はこの競技大会を目標に取り組んできた」と期待を込める。
閉会式には来賓として職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会の加賀美武専務理事、同富士教育訓練センターの米良力校長らが出席。日板協からは、大会会長の天野会長、審査委員長の野溝年成副会長、小畠義郎専務理事、実行委員長の國松慶誇理事(青年部部長)が出席した。
天野会長は、「一つの目標に向かって努力することで達成感が得られる。こうした姿勢が将来のプラスになる。また、全国の仲間との交流を広げていただいたと思う。こうした経験を地域に持ち帰って地域の仲間や青年部員に伝えてほしい。今後も競技大会を続けていきたいので協力をお願いしたい」とあいさつした。
両部門の上位入賞者は、5月の全国建築板金業者島根大会で表彰され、技能競技の部優勝者には厚生労働大臣賞が、建築技術の部優勝者は国土交通大臣賞が授与される。