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【動画ニュース、代官山T-SITE】“おうち”感覚で容易にアップデート/設計のKDaクライン、ダイサム、久山3氏に聞く

最終更新 | 2024/04/30 13:25

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◆動画ニュース(前編)はこちら
動画はこちらから



 開業から10年以上たった今もなお、新たな出会いや発見であふれる代官山T-SITE(東京都渋谷区)。その中核施設である代官山 蔦屋書店は、家にいるようにリラックスできる「おうち感」をコンセプトに、居心地の良さを追求した。昨年12月には、同書店内にあるシェアラウンジの新エリアがオープン。設計を手掛けたクライン ダイサム アーキテクツ(KDa)のアストリッド・クライン、マーク・ダイサム、久山幸成の3氏に、完成後も進化し続ける店内を案内してもらいながら、たくさんの人に愛される施設づくりの秘密を聞いた。

左からダイサム氏、クライン氏、久山氏


 2011年に開業した代官山T-SITEは複数棟の低層建物で構成。このうち旧山手通り沿いの敷地には、槇文彦氏設計のヒルサイドテラスと連続するように、3棟からなる代官山 蔦屋書店が配置されている。

 代官山 蔦屋書店の大きな特徴が、エントランスを固定していないことだ。わざわざ入り口を探すことなく、どの方角から来ても「すっと入っていける」(久山氏)からこそ、「みんなウエルカム」(クライン氏)だと感じてもらえる。

 夜になると、2階のガラス越しにスタンドライトの小さな明かりがポツポツと浮かび上がる。「どんな大きなサインや看板より、人を引きつける力がある」とクライン氏は話す。

 各棟の外観いっぱいに大きなTの字のデザインが浮かび上がる建物は、壁による圧迫感を感じないように、大きなTの字を構成する小さなTの字に奥行きや柔らかさを付加。高木や低木の豊かな緑に加え、ヒューマンスケールを意識した建物だからこそ、偶然明かりを見つけて近づいてきた人も入りやすいのだろう。

 各棟内外をぐるぐると巡りたくなる工夫も取り入れている。

 その代名詞が2号館中央の階段だ。ドリンクや食事が楽しめる高級感あふれる2階のラウンジ空間「Anjin」へとつながる。

彫刻のようなデザインの2号館中央階段


 クライン氏は「通常お客さんは階段を使いたがらない。だからこそこの階段は上りたくなるように、すてきに見える彫刻のようなデザインにした」と設計の裏側を明かす。久山氏が「設計中、この場所に仮設足場で同じ高さのモックアップをつくってみんなで検証した」というほど、こだわりが詰まっている。

 建物全体を見ると、「シームレスな空間を意識し、目的がなくてもうろうろと回遊し、新しいものに出会えるつくり方をした」(久山氏)ことがわかる。

目的がなくても回遊できる店内


 例えば各棟1階には、本が陳列された小さな小部屋が随所に設けられている。通常のショッピングモールと異なり、空間に明確な境界がないからこそ、「小部屋から大きな売り場のフロアに出てきたり、別の棟へと渡り歩いて行きたくなったりする」と久山氏は解説する。

 クライン氏が「どんな人でもびっくりするのが好き。おーっていう発見のようなもの。想定どおりだとつまらない。『別に行かなくていいかな』と思われてしまう」と話すように、店内のあちこちに“発見”がちりばめられている。

 2階のAnjinでは、過去の雑誌コレクションが並ぶ所々に、アートワークが挟み込まれていたり、バーカウンターが古い本でつくられていたりするのが一例だ。

 蔦屋書店は大型書店のように多ジャンルの本をそろえるのではなく、料理や旅行、建築、デザインなどのジャンル特化型専門店で、そのジャンルに精通したコンシェルジュが常駐している。

 各ジャンルのブックコーナーに誘導する空間として、3棟を貫く約55mの「マガジンストリート」を配置。最新号が次々と発売される雑誌コーナーを3棟連続的に設けることで、面的に新しいものを発見できる。そこから各ジャンルのコーナーへと興味を誘う。

 回遊性の観点では、空間に奥行きを感じさせる工夫もある。旧山手通り沿いのヒルサイドテラス側から蔦屋書店に訪れる場合、建物が手前の棟(3号館)だけでなく、奥にも続いていることを意識してもらえるように、3棟は少しずつずらして配置している。

 中央の棟(2号館)に目線が向かうように、視線の先に「蔦屋書店」のロゴをさりげなく掲げた小さな出入り口を設置。ここまで来て視線を横に向けると、蔦屋書店のさらに奥まで代官山T-SITEの空間が続いていることが分かる仕組みだ。

 “おうち感”を表現するため、インテリアは目立ちすぎない落ち着いた雰囲気にこだわった。床の素材は経年変化で味が出てくるユース感ある木材を使用。照明も通常の商業施設とは異なり、家のリビングルームのような温かみを感じられるものを採用した。トイレを含めて随所にアート作品を設置していることもポイントの一つといえる。

 意識したことが、空間のアップデートのしやすさにもつながっている。自分の家を模様替えするように、レイアウトを自由に変更できるようにしていたためだ。

 3号館2階フロアは21年からシェアラウンジへとリニューアル。コロナ禍を機に、たくさんの人が仕事場所などとして利用する人気スペースとなった。23年12月には、1号館2階の一部にも設置した。

多くの人が利用する人気のシェアラウンジ


 ライフスタイルをテーマにつくった施設だからこそ、「映画や音楽のレンタルサービスが縮小していく代わりに、ライフスタイルの一部である仕事に応えるスペースとして刷新した」と久山氏は語る。

 「代官山 蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、施設をリニューアルするときにいつも相談してくれる。CCCとたくさん議論しながらこの施設をつくっていったが、完成後もコミュニケーションを取ってくれるのは幸せなことだ。開業から約13年間、寄り添いながら生きているという気持ちがある」とも。

 ダイサム氏はこのシェアラウンジで、「毎日午前中はメールのチェックをしたり自分の考えを整理したりしている」と笑顔を見せる。

 代官山 蔦屋書店は、50代以上の「プレミアエージ」をメインターゲットに店舗づくりを進めた。現在は、プレミアエージにとどまらず、どんどんと若い世代の利用者が増えている。それは、訪れる人に「みんなウエルカム」な場所だと伝わっているからだとクライン氏は分析する。

 同書店には、コンビニエンスストア、大手カフェチェーン、Anjinという、コーヒーを販売する店舗が複数ある。コーヒー一杯の値段にはランクがあるが、「どの店舗のコーヒーだとしても、代官山T-SITEのベンチに座って飲んでいたら必ずかっこよく見える。財布の厚さで判断しない。この場所にヒエラルキーはなく、みんながかっこよく見える」とクライン氏は力強く語る。

 家のようにリラックスでき、誰もがその家のあるじとなれる場所–。それが多世代に愛される秘密なのではないだろうか。

 

◆動画ニュース(後編)はこちら
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代官山T-SITE/蔦屋書店
▽設計=クライン ダイサム アーキテクツ、アール・アイ・エー
▽建築施工=鹿島
▽規模=3棟総延べ5607㎡
▽所在地=東京都渋谷区猿楽町16-15

 

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