東京都港区白金台1丁目のエリアで建物更新・開発の動きが広がっている。明治学院が2029年度までの中期計画で、同エリア内にある大学の白金キャンパスで校舎の建て替えなどを進める方針を示したほか、近鉄ホールディングスは、「近鉄グループ長期ビジョン2035・中期経営計画2028」でエリア内にあるシェラトン都ホテル東京の将来的な高度活用に向けて検討を始めることを盛り込んだ。
白金台1丁目エリアは、都道312号と国道1号に囲まれた地域で、明治学院大学白金キャンパスのほか、レストラン・結婚式場の八芳園、シェラトン都ホテル東京などが立地している。
八芳園は、2月から本館の全面リニューアル(施工=安藤ハザマ)が進んでおり、10月には再オープンする予定だ。明治学院は、中期計画で大学の白金キャンパスの再開発に向け、老朽化した3号館やヘボン館を建て替え・改修する計画を示した。
近鉄ホールディングスは、注力する事業課題の一つとして「沿線外での新たな事業基盤の構築」を掲げ、首都圏に保有するアセットの高度利用に向けて首都圏でのコーポレート機能を強化する方針だ。
その中で、シェラトン都ホテル東京の将来的な高度活用構想を明記。都心でも有望なエリアである白金台で、外部パートナーとの協業も含めて高度活用を検討する。
シェラトン都ホテル東京は、地下3階地上12階建て延べ4万7452㎡(484室)の規模で、1979年に完成した。設計はミノル・ヤマサキと村野藤吾、大林組、施工は大林組が担当した。
同エリアではこのほか、明治安田生命保険が「明治安田生命白金台ビル(旧SPA白金)」を解体中で、地上部の解体を竹中工務店、地下部の解体を東急建設が進めている。
インフラ関連では、都道312号の直下を走る東京メトロ南北線を白金高輪駅から白金台駅を経由して品川駅まで延伸する事業が進んでいる。30年代半ばに開業する予定で、エリアのさらなる価値向上が見込まれている。