【スカイツリー周辺を再開発】社有地活用で拠点形成/東武鉄道 | 建設通信新聞Digital

5月20日 火曜日

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【スカイツリー周辺を再開発】社有地活用で拠点形成/東武鉄道

浅草~東京スカイツリーエリアで「観光」「交通」「商業」「オフィス機能」を備える拠点化を目指す


 東武鉄道は、東武スカイツリーライン沿線などでのまちづくりや、ホテル建設の観光分野など、非鉄道事業にさらに注力する。浅草から東京スカイツリーエリアを、東京イーストエリア随一の「観光」「交通」「商業」「オフィス機能」を兼ね備えた拠点に成長させるため、東京スカイツリーエリア周辺で社有地を活用した再開発などを進める。池袋駅西口の再開発やホテル建設なども進め、2030年代半ばに営業利益1000億円以上を目指す。

 東京・浅草を起点とし、埼玉県宮代町の東武動物公園に至る東武スカイツリーライン沿線を▽浅草~東京スカイツリー▽北千住▽西新井~草加▽春日部・東武動物公園・南栗橋–の四つのエリアに分けた。

 東京スカイツリーエリア周辺の再開発は、東京都墨田区の向島一丁目と押上一丁目で計画する。向島一丁目は27-30年に着工し、30年代半ばの完成を目指す。押上一丁目は、30年代半ばの着工・完成を見込む。とうきょうスカイツリー駅付近の高架下開発や東京ソラマチの増床も計画しており、27-30年に着工し、順次開業を予定している。行政と連携した、災害に強い市街地の形成も図る。

 浅草~東京スカイツリーエリアではそのほか、同区から指定管理業務を受託した隅田公園で、エリアの回遊性を高める仕掛けづくり、官民連携による北十間川周辺の整備、浅草地区まちづくりビジョン策定委員会の参加などにも取り組む。

 その他のエリアでは、東京都足立区での北千住駅東口再開発への検討協力、西新井駅周辺の社有地を活用した開発検討、埼玉県春日部市の春日部駅付近連続立体交差化事業との連携などを図る。

 まちづくり関連では、東上線エリアにある東京都豊島区の池袋駅西口の再開発も推進する。池袋駅西口地区市街地再開発準備組合との一体的な市街地再開発事業を計画しており、先行街区の解体着手は30年度を予定している。

 ホテルの建設については、東京都中央区の日本橋3丁目や銀座7丁目などで進めていく方針だ。日本橋3丁目は30年の完成を目指す。銀座7丁目は、27年ごろの着工を見込む。観光関連では、栃木県の日光エリアでの事業拡張なども実施する。

 24年度に長期経営ビジョンを「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」と定め、33年度に営業利益800億円(非鉄道事業500億円)の達成を目指すとした。ただ、足下の収益力の底堅さと観光需要取り込みの力強さ、ホテル建設などの観光領域におけるプロジェクトの見通し、押上エリアにおける再開発計画などまちづくり計画の深度化、東武スカイツリーラインと東京メトロ有楽町線との新たな相互直通運転の実施など、大型プロジェクトを順調に進捗(しんちょく)させることで成長が可能と分析。30年代半ばに営業利益1000億円以上目指す方針に変更した。

 長期ビジョンの実現に向け、▽営業利益段階における非鉄道事業割合の増加▽観光需要を捉えた収益力の強化▽持続的な事業運営体制の確立–といった経営戦略方針を掲げた。

 

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