【ミタマチテラス】環境配慮型のスマートビル誕生/中央日本土地建物とUR | 建設通信新聞Digital

9月29日 月曜日

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【ミタマチテラス】環境配慮型のスマートビル誕生/中央日本土地建物とUR

1日に開業するSENQ 田町


 中央日本土地建物と都市再生機構(UR)が、東京都港区で進めていた「ミタマチテラス」が竣工し、25日にメディア向け内覧会が開かれた=写真。1966年竣工の旧「春日ビル」を建て替えたもので、規模はS・SRC造地下3階地上20階建て塔屋1層延べ約5万5500㎡。IoT(モノのインターネット)技術を駆使した環境配慮型スマートビルとなる。新築計画段階でのシステム導入は中央日本土地建物として初の試み。

 施設は、各種設備とシステムを連動させて収集したデータを活用し、快適なオフィス環境を効率的に管理する。オフィスフロアにはIoTセンサーを導入し、空調や照明を自動制御。ワーカーは専用アプリで照明やブラインドの個別調整もできる。共用部には無人受付システムに来館者情報を登録することで、セキュリティーゲート用QRコードの自動発行や来館時の通知、トイレの混雑状況をリアルタイムで検知する機能、清掃・警備ロボットなどを導入し、快適なオフィス環境の整備と効率的なビル管理、利用者の利便性向上を図る。

 環境面では、省エネルギー性能を評価する「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Ready」認証と、「CASBEE(建築環境総合性能評価システム)-スマートウェルネスオフィス評価認証」Sランクを取得した。南北面の二重ガラス構造(ダブルスキン)や西日を遮る東西面の縦フィン、自動調整可能なブラインドなどで消費エネルギーを削減する。太陽光発電や雨水利用といった自然エネルギーの活用も進め、環境負荷の低減も図る。停電時には72時間分のバックアップ電源を供給できる。

 低層部には、地域貢献施設や多様な働き方を支援する機能を設けた。1階に子育て支援施設を整備するほか、3-4階には大小17室の会議室で構成する「ミタマチテラスカンファレンス」と、ワーカーズラウンジを設けた。また、4階には中央日本土地建物が運営するオープンイノベーションオフィス「SENQ 田町」が10月1日に開業する予定だ。

 旧「春日ビル」は、両社が共同でオフィスとUR賃貸住宅として建設し、約50年にわたり多く人々の生活を支えてきた。耐震性の課題から建て替えを計画し、2023年10月に新築工事に着手した。所在地は港区芝5-34-2の敷地約5140㎡。基本設計は日本設計、実施設計と施工を清水建設が担当した。


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