衣浦ポートアイランド第II期/新たな処分場整備へ/愛知県 | 建設通信新聞Digital

12月12日 金曜日

中部・北陸

衣浦ポートアイランド第II期/新たな処分場整備へ/愛知県

事業実施想定区域
 愛知県は、(仮称)衣浦ポートアイランド第II期整備事業の計画段階環境配慮書の縦覧を始めた。2026年1月23日まで意見を受け付ける。概要は、公有水面の埋め立てと廃棄物最終処分場(海面埋立処分場)、浚渫土砂処分場の設置。実施想定区域は碧南市港南町の衣浦ポートアイランド南側衣浦港外港地区の約65ha。処分場面積は廃棄物最終処分場が約41ha、浚渫土砂処分場が約24ha。埋立期間は約20年で、埋立容量は廃棄物最終処分場が約420万m3、浚渫土砂処分場が約260万m3。 同事業で整備する処分場は、周辺海域と埋立用地を区分する外周護岸と、廃棄物最終処分場区域、浚渫土砂処分場区域を分ける内護岸、衣浦ポートアイランド南側の既存の護岸で構成する。今後、詳細な地質調査、設計を経て護岸構造を検討する。廃棄物最終処分場は護岸工事と合わせ、保有水などの流出を防止する遮水工事を行い、管理施設も設置する。
 県内では、これまでに公共関与の最終処分場が4カ所整備されてきたが、名古屋港南5区廃棄物最終処分場と衣浦ポートアイランド廃棄物最終処分場は埋め立てを終了。供用中の衣浦港3号地廃棄物最終処分場と御船産業廃棄物最終処分場は、埋立計画期間の終了年度まで計画的に廃棄物の受け入れができるよう搬入を抑制している。既存の最終処分場の埋め立てが終了した場合、県内の廃棄物の最終処分が困難になるため、新たな公共関与の最終処分場を確保する。
 また、県内の港湾では港湾機能の強化や維持のための航路、泊地浚渫が継続的に求められていることから、新処分場で発生する浚渫土砂を安定的に受け入れる。
 配慮書には、排水位置を既存施設の衣浦ポートアイランド廃棄物処分場の処理水排水位置と同様の位置に設けるA案と、事業実施想定区域東側に設けるB案、南側に設けるC案を示した。3案とも水質への影響は低いとした。環境配慮事項には護岸工事の資材搬入は海上輸送を基本とすることや、廃棄物の適性処理などを盛り込んだ。
 県が設置する環境影響評価審査会は16日、県庁三の丸庁舎で同事業と、豊田市で計画する豊田貞宝次世代産業地区用地造成事業の計画段階環境配慮書をそれぞれ審議する。