【コンベヤーベルト市場好機】背景に排ガス・騒音抑制/コンチテック | 建設通信新聞Digital

12月26日 金曜日

公式ブログ

【コンベヤーベルト市場好機】背景に排ガス・騒音抑制/コンチテック

滝野氏


 産業用ゴム製品を手掛ける独コンチテックは、コンベヤーベルトの日本国内シェア拡大の鍵として、土木工事向け需要に着目する。日本法人のコンチテック・インダストリアル・ソリューションズ・ジャパン(横浜市)で日本・韓国におけるコンベヤーベルト営業責任者を務める滝野陣太氏は「コンベヤーベルトの国内市場は、これまで外資が参入してもあまり成功していなかったが、現在は好機が来ている。特に土木工事向け製品では、数年以内に国内シェア首位に立ちたい」と意気込む。

 コンチテックは自動車部品世界大手・独コンチネンタルの産業向け部門だ。日本の建設業については、近年トンネルやダムなど大規模な土木工事で発生した土砂を運搬するコンベヤーの需要が高まっているという。「土砂は従来トラックで運び出されていた。しかし、ドライバーの確保が難しくなったことや、排ガス・騒音の抑制がより重要になったことなどの理由で、代替手段として関心が高まっている」と分析する。

 ただ、土木工事向けコンベヤーに使うコンベヤーベルトは供給が逼迫(ひっぱく)し、納期が延びるなどの影響が出ている。「土木工事向けでは、地形のカーブやアップダウンに追従してベルトを曲げたり、ベルトをパイプ型にして土砂飛散を防いだりするなど、特殊な仕様が求められる。従来この分野では大手のブリヂストンが強みを持っていたが、2024年に撤退した。その供給減が埋まっていない」と原因を指摘する。

パイプ型のベルトコンベア外観


パイプ型のベルトコンベア断面図


 コンチテックは国内でさまざまな産業用ゴム製品を展開してきたが、コンベヤーベルトについては23年に参入した。「安全基準などが厳格なヨーロッパの土木工事現場で長年の実績を持つため、製品には自信がある。課題は、ベルトの摩耗やトラブルなどにすぐ対応できる体制づくりだ」とし、人員の増加など体制強化に努めている。土木工事向け以外では、製鉄所、セメント工場などでの鉱物運搬用や、石油精製施設、火力発電所、製紙工場などの資材運搬用で事業拡大を目指している。
 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら