石巻発・日本初の技術で環境に貢献–。日本道路と花王が製網業界と連携して開発した「再生漁網PETアスファルト混合物」が、宮城県石巻市で行われている「木下製網(愛知県)石巻第二工場新築工事」(施工=和光)の敷地舗装に採用された。使用済PET製漁網を原料の一部に再利用した国内初の取り組みで、環境貢献の観点から今後の普及が期待されている。
水産業が盛んで、漁網を製造・補修する企業が多く立地している宮城県石巻市では、毎年大量の廃漁網が発生。特にプラスチック素材の一種であるPET製廃漁網は全国で1年間に発生する約1000tのうち同市で500-600tを占めている。
これらが産業廃棄物として埋立か焼却処分されることにより、廃棄炉の損傷や埋立場所の減少などの問題が生じている一方、処分費が高額なため、多くがストックヤードに保管されている状況で、その対応が製網業界で大きな課題となっている。
こうした中、県の打診を受けた花王と日本道路が製網業界と連携し、国内で初めて廃漁網を原料の一部とした同混合物を開発。これまでに岩沼市内の県道で試験施工が行われたほか、大阪万博の会場でも一部利用された。
混合物は、宮城県内から発生したアスファルト舗装廃材を再利用した再生アスファルト混合物に、廃漁網を洗浄処理したペレットに特殊脂肪酸、特殊アルコール、特殊添加物を加えることでケミカルリサイクルした舗装改質剤「ニュートラック」を添加して製造する。
新品のアスファルト混合物と同等の品質を確保でき、舗装材の製造時に発生するCO2排出量を従来の舗装材より約13%削減できるほか、室内試験では従来の約2倍の耐久性が確認されており、舗装の長寿命化により将来発生するCO2排出量の削減も見込めるという。昨年4月に「宮城県グリーン製品」に認定されており、秋に販売を開始した。
木下製網石巻第二工場の舗装工事では、日本道路が敷地のうち965.4㎡を施工。アスファルト合材121.4tに対し、改質材は485・6㎏で、64・7㎏の漁網を使用した。
日本道路東北支店の金子健郎営業部長は「石巻から生まれた日本初の技術として、宮城県内の公共事業を中心に浸透させていきたい」と話している。
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