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【現場最前線】電気は原料! 1954年建設の自社水力発電施設を更新する日本カーリット

最終更新 | 2017/09/06 15:22

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コンクリートの打ち直しを終えた水槽部と制水門。奥は発電所建屋

 東日本大震災以降、わが国のエネルギー政策は変化の時代を迎え、再生可能エネルギーを含む望ましい電源構成の道を政府は模索している。特に電力の最大の消費者である民間製造業による“創電”には大きな期待がかかる。こうした中、前橋市に水力発電所「広桃発電所」を所有する日本カーリットは、2018年に創業100年を迎えるカーリット・ホールディングス(HD)の次の100年の『礎』とすべく、同発電所の更新工事を進めている。施工は熊谷組が担当している。 カーリットHDは、明治・大正期の実業家・浅野総一郎が1918年にカーリット爆薬技術を日本に導入したことから歩みを始めた。34年には浅野セメントから事業を継承して浅野カーリットを創立し、群馬県渋川市に群馬工場を建設した。同工場の電力を賄っていたのが28年に浅野総一郎が完成させた佐久発電所だったが、同発電所は戦中の電力国策として41年に政府に現物出資させられた。その代替として、54年に改めて同発電所近くに建設した水力発電所が、現在の広桃発電所だ。以来、60年以上にわたって運転してきた。
 現在の群馬工場はロケット用固体推進薬の原料などの工業薬品製造やリチウムイオン2次電池の充放電サイクル試験などを行っており、使用電力の大部分を同発電所がまかなっている。更新工事による同発電所停止に伴う電力負担額は年間約3億円に上る。まさに「電気を製品製造の原料として使っている」(辻田広人取締役管理本部長)ことが同社の特徴なのだ。
 ただ、更新には約23億円に上る投資が必要となる。五十嵐豊取締役生産本部長は「東日本大震災以降、再生エネルギーの盛り上がりや電気料金の値上がりの中で、改修に費用がかかっても長い目で見れば非常に有効な資源になる」と使い続ける意義を語り、「将来、新しい事業を立ち上げるに当たって発電所を持っていることが強みになる」という狙いも明かす。加えて、カーリットHDとして「環境保全」をCSR活動の基本方針に掲げる中で、CO2の発生量を年間9000t以上削減できることも水力発電所を保有する大きな魅力の1つだ。
 広桃発電所(前橋市田口町1120)は、水路総延長472m、最大出力約3300kWで、民間の水力発電所としては中規模だ。更新工事では、発電建屋東側の水槽部を締め切り、代替水路で下流にある別の水力発電所に水を送り続けつつ、西側の放水路出口も締め切って、水槽部と水槽制水門、呑口・水車部、西側放水路のコンクリート壁と床を厚さ約3cm削り取り、同じ厚さのコンクリートを壁は吹き付け、床は流し込みでそれぞれ被覆する。
 カーリットHD傘下の総合建設会社・カーリット産業の大川原一男社長は「新しく鋼板などでつくり直すのではなく、いまのものを再現する方針にしたため、コンクリートの現状把握に時間をかけた」と語る。施工を担当する熊谷組の山本勝作業所長も「削り取るコンクリートの厚さを何センチにするか。材料に何を使うか」に頭を悩ませた。材料には、古いコンクリートとの接着性を高めるためポリマー系セメントを採用し、「接着度を確認するため、(通常の圧縮試験だけでなく)引っ張り試験も実施した」(同)という。

3Dプリンターで作成した水車発電機基礎部の模型

 水が均等に水車に流れ込むための肝となるのが、カタツムリの殻のような形をした水車発電機基礎部だ。大川原社長が「(当時、施工された基礎部は)船大工がつくったのではないかと思うくらい、曲線がきれいに仕上がっている」と言うほど精巧なつくりで、山本所長は3次元計測で設計図をつくり、3Dプリンターで模型も製作。左官による仕上げで、当時の精巧さの再現に注意を払う。18年2月の定期断水を待って下流側放水路の床版を打ち直し、3月の有水試験を経て、4月に本格再稼働する予定だ。山本所長は「品質と安全に気を付け、工期を間に合わせる」と力を込め、大川原社長も「万全の体制を取りたい」と話す。
 再生可能エネルギーの中で最も発電効率が安定して環境にも優しい水力発電を使い続けることは、カーリットHDの未来への礎となるだけでなく、わが国のエネルギー新時代における一筋の光明にもなる。

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