【現場最前線】「REXS」で安全・効率大幅アップ! 世界初の交換システムで新幹線のレール交換 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【現場最前線】「REXS」で安全・効率大幅アップ! 世界初の交換システムで新幹線のレール交換

全長230mで構成されるレール交換システムREXS

 東鉄工業は2月から、東北新幹線のレール交換に本格的に着手した。東日本旅客鉄道(JR東日本)大宮支社管内の大宮~新白河駅間の約140㎞で、8年間かけてほぼすべてのレールを交換し、2025年以降は新白河駅以北でも更新を進める。交換作業には運搬から積み卸し、交換、溶接を1つのシステムで可能にする世界初の新幹線レール交換システムを導入し、夜間の限られた作業時間内で安全かつ効率的な作業を進めている。

新しいレール同士を溶接

 新幹線レール交換システム「REXS」はモーターカー、レール運搬車、レールマニピュレータとレール交換機を搭載したレール積卸車、フラッシュバット溶接車で構成される12両編成で全長は230m。オーストリアのプラッサー&トイラー社とドイツのローベル社の機械を組み合わせており、モーターカー、レール運搬車編成、フラッシュバット溶接車をいずれの運転台からも操作できる協調制御は世界初となる。

アームでレールをつかむレールマニピュレータ

 積載量は従来の4倍で、150mレール20本の計3000m。人手では1カ所当たり40分を要していた溶接も6分で済み、作業時間を大幅に短縮できるほか、レールの長さにかかわらず1台で交換が可能となった。REXSによるレール交換は4日間を1サイクルとし、機材の移動とレール配置の準備、新しいレールの運搬とレール同士の溶接、レール交換、古いレールの切断と回収の各工程をそれぞれ1日ごとに順番で進める。
 9日には大宮~小山駅の約400mの区間で新たなレールの取り卸しと溶接を実施した。24人の作業員が終電後から始発前までの約2時間半で工事を進めた。レールマニピュレータがレール運搬車に積まれた150mレール4本、50mレール2本を地上の仮受台に設置。フラッシュバット溶接車が取り卸したレール同士を短時間で溶接し、始発までの限られた時間内で作業を完了させた。溶接した350mの新たなレール2本は10日に既設のレールと交換する。
 レール更新の工程管理や現場の安全管理を担当する東鉄工業の大石隆明埼玉支店線路部次長は「レール交換後には新幹線が通常どおり走るので仕上がりの確認が重要となる。基本動作を守り安全第一で取り組んでいく」と力を込める。JR東日本大宮支社の山口拓設備部長は「安定的な輸送サービスをお客さまに提供するため、新しいシステムでしっかり作業していきたい」と強調した。

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