【働きがいのある会社に】
大成設備の新社長に、親会社の大成建設で設備畑を一貫して歩んできた西川康人氏が4月に就任した。大成建設出身者が歴代の社長を務める中、設備の技術職から就くのは60年を超える歴史で初めて。「設備のことを知っており、社員の悩みが分かる。社員と同じ目線に立ち、スピード感を持って仕事をしていきたい」と意気込む西川社長に、今後の経営方針を聞いた。
--就任の抱負を
「業績面は、2024年度から26年度までの中期経営計画で掲げた数値目標を1年前倒しの25年度に達成した。順調に右肩上がりで推移している。計画期間途中での社長交代であり、これまでの流れ自体は変えない。AI(人工知能)・半導体、創薬、防衛、エネルギーの4分野に注力する」
「全国の支店を回っているところだが、元気があってやる気に満ちた社員が多いと感じる。当社はバリューの一つに『一人ひとりの成長がチームの大きな力となる』を掲げている。社員一人ひとりの成長を会社の成長につなげていきたい。加えて、2年ほど前から取り組む働き方改革により、働きやすい環境になってきた。仕事の中身が濃く、設備のエンジニアとしてやりがいのある工事を受注し、働きがいのある会社を社員と一緒につくっていきたい」
--中長期的な経営方針は
「築50年を超える建物が非常に増えてきた。政府は50年カーボンニュートラルを掲げている。こうした中、大成建設がグループを挙げて取り組む『グリーンリニューアル』をはじめ、環境配慮型のリニューアル工事を中心に据えて社会に貢献していく。グリーンリニューアルには高度な技術が必要になる。グループ力を生かしながら難しい仕事に挑戦することで、仕事のやりがいも生まれてくるだろう。新築工事にも、世の中のニーズに合わせてしっかりと対応していく」
--経営課題については
「最重要課題は人だ。社員の採用は目標数を確保できているが、これまでのように高校や大学にお願いすれば学生に来てもらえる時代ではなくなってきた。こちらから学校に出向き、先生に事業内容をしっかり説明して学生を紹介してもらえるよう、学校との連携強化を図る。育成面では人手不足の状況を踏まえ、OJT(職場内訓練)の期間を従来の入社3年次までから6年次までに今期から伸ばした。これまで以上に、若手に寄り添った研修を進める」
「協力会社の技能者は高齢化が進んでいる。建設業界全体で技能者が大きく減っており、現場の効率化も課題だ。現場のオフサイト化に今期から力を入れて取り組む。現場の仕事量を減らす方向で取り組みを加速していきたい」
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(にしかわ・やすひこ)1991年3月武蔵工大(現東京都市大)工学部建築学科卒後、同年4月大成建設入社。2020年4月東京支店建築部設備部長、21年10月設備本部設備企画部長、25年4月設備本部副本部長を経て、26年4月から現職。料理が趣味で、イタリアンなどをつくり、お酒を飲みながら家族と一緒に食事することが休日の楽しみ。東京都出身。68年11月29日生まれ、57歳。
【記者の目】
設備の仕事に就こうと就職活動をした学生時代。実は大成建設のほかに大成設備も受けていた。1日早く大成建設の担当者に会ったことで入社を決めたが、当初は大成設備に心が傾いていた。それから35年がたち、大成設備社長就任の命に「“まさか”とびっくりした」。実際に入って「距離感が近く、上司・部下ともに言いたいことを言える会社」と感じた。「人の話を聞くのが好き」なため、相性が良さそうだ。コミュニケーションを大事にしながら、初の設備畑出身社長として社員とともに会社をもり立てる。
