【女性活躍セミナー】作業着は「造る人」の証に! 入れば変わった業界イメージ、社会にも発信を | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

公式ブログ

【女性活躍セミナー】作業着は「造る人」の証に! 入れば変わった業界イメージ、社会にも発信を

 国土交通省は20日、福岡市の福岡建設会館で「建設産業女性活躍セミナー」を開いた。ゼムケンサービスの籠田淳子代表が基調講演したほか、現場で働く女性によるパネルディスカッションを開き、女性が活躍できる建設産業界のあり方を模索した。女性技術者を始め経営者ら60人が参加した。
 籠田代表は「家族、家庭なしには生きていけない」との思いから、10数年前にワークライフバランスを経営方針に据え、子育てなどに追われる社員にはワークシェアリングで仕事との両立を図った。この経験を踏まえ「建設業を女性の一生の仕事にできるよう、経営戦略を立てるべき」と訴えた。
 パネルディスカッションは、籠田代表をコーディネーター、現場で活躍する女性6人をパネリストに「建設産業への女性の入職や定着の促進」について意見を交わした。
 建設業について、入社1年目の菅原綾子さん(内藤工務店)は「汚い、きつい、危険の3K」、9年目の田中ひとみさん(ワイビーエム)は「頑固一徹の男ばかり」というイメージだったが、ともに入社後は親切にされ「印象が変わった」とし、社会が持っている建設業に対するイメージを変える工夫が必要とした。下川愛さん(オリエンタル白石)は「ある集まりに作業着で行った際、そこにいた子どもから初めて橋を造る人に会ったと喜ばれた」というエピソードを語り、女性が作業着で街を歩くこともPRの1つとした。
 体力面については、左官業を営む植田直子さん(道下組)が「資材や工具は女性にとって重いが、男性も年を取れば腰を痛めている。これらを見直すことが男女ともに働きやすい現場につながる。運搬などはロボットを使うという効率化も将来は考えられる」と問題提起した。
 西岡真帆さん(清水建設)は女性の離職を防ぐ自社の取り組みとして「面談して、勤務地や仕事内容、時間について希望に添うようにしている」と紹介、ワークシェアリングも実践し「ダブルチェックとなり品質向上にもつながる」とした。
 一方、若い世代を中心に、身近に相談する相手がおらず不安を抱えている人も多く、セミナーの最後には、各企業・団体間でネットワークを強化し情報共有していくことを確認した。
 同セミナーは、全国10都市で開催し今回の福岡が最終となる。2018年3月には東京都で全国大会が計画されている。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら