オリンピックアクアティクスセンター 18年夏に大屋根リフトアップ
水泳競技の会場となる「オリンピックアクアティクスセンター」は、辰巳の森海浜公園内に整備する。長さ50mのメインプールとサブプール、深さ5mのダイビングプール、飛び込み競技トレーニング施設を整備するほか、スタジオやトレーニング施設などを配置し、多くの都民が利用できる施設とする。
大屋根を支える高さ約40mのコア柱4本が立ち上がり、現在は地上で屋根の鉄骨を組んでいる。「大屋根を段階的に上げ、ことしの夏には(天井高25mになるように)リフトアップする」(大会施設部の刀祢大州施設整備担当課長)計画だ。
「約230人の作業員が働いており、19年のピーク時には約1000人となる」(同)見込みだ。現在の工事進捗率は約25%で、19年12月の完成を目指す。
大会利用や観戦者などの競技利用約85万人、個人利用、プール・トレーニング室、スタジオなどの一般利用約15万人で、合計の年間来場者目標を100万人とする。
辰巳の森海浜公園と一体となったにぎわいを創出し、都民の憩い場とする方針だ。
◆事業概要
▽計画地=江東区辰巳2-2(辰巳の森海浜公園内)
▽規模=S一部SRC・RC造地下1階地上4階建て延べ約6万5500㎡、〈大会後〉地下1階地上4階建て延べ約5万6000㎡
▽座席数=約1万5000席、〈大会後〉約5000席
▽基本設計=山下設計
▽設計施工=大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業異業種特定JV
▽実施競技=〈オリンピック〉水泳(競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミング)、〈パラリンピック〉水泳
カヌー・スラローム会場 日本初の人工コース創出
葛西臨海公園隣接地に建設する「カヌー・スラローム会場」は、日本初の人工のカヌー・スラロームコースだ。平均幅約10m、長さ約200mのコースはスタートとゴールで約4.5mの高低差を付け、人工的に急流を生み出す。平均勾配2%のコースを下り、ウォーミングアップコース、フィニッシュプールを通り、ボートコンベアに乗ってスタートプールに戻る。観客席は仮設で大会後には撤去する。工事の進捗率は約21%。19年5月の完成に向け、約50人の作業員が働く。現在は「大型土のうを設置して、競技コースを(プレロード工法で)締め固め、プールの躯体構築を始めた。スタートプールやろ過施設の杭基礎を行っている」(大会施設部の村岡洋次郎施設整備担当課長)。国内の実例がないため「チェコ工科大学と連携して、模型をつくり水流シミュレーションする」(同)などして取り組んだ。
五輪後はカヌーなどの水上競技の国際大会・日本選手権など年間7大会の誘致・開催を目標とする。都民にも水上スポーツ体験やラフティングなどの水上レジャー機会を提供し、水難救助訓練などのニーズにも応える。大会や強化練習会などの競技利用約3万人、一般利用約7万人の合計10万人を年間来場者目標としている。
◆事業概要
▽計画地=江戸川区臨海町6-1(葛西臨海公園隣接地)
▽座席数=約1万5000席(仮設)
▽主要施設=競技コース(長さ約200m)、ウォーミングアップコース、ポンプ施設、ろ過施設、管理棟(艇庫)など
▽設計=パシフィックコンサルタンツ
▽施工=鴻池組・西武建設・坪井工業JV
▽実施競技=〈オリンピック〉カヌー(スラローム)