【津波被害予測】世界初のリアルタイム提供! 開発の東北大、国際航業、NECらが新会社設立 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【津波被害予測】世界初のリアルタイム提供! 開発の東北大、国際航業、NECらが新会社設立

 東北大学と国際航業、エイツー、日本電気は、共同で開発した「リアルタイム津波浸水・被害推定システム」の技術を中核とした 大学発ベンチャー「株式会社RTi-cast(アールティアイキャスト)」を共同設立した。世界初の民間事業者 によるリアルタイム津波浸水被害予測サービスを提供、国内外の市場で広く普及させることで、巨大地震津波災害への社会のレジリエンス向上に貢献する。
 同システムは、東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)の越村俊一教授を中心とした、複数の大学・民間事業者による産学連携研究により開発された世界最先端のシステムで、スーパーコンピューターの災害時利用を実現。地震情報の自動取得と津波発生・伝播・浸水・被害の予測、結果の図化・配信をリアルタイムで行う。2014年の総務省G空間シティ構築事業で実証され、17年11月から内閣府での運用がスタート。東北大と大阪大の2拠点で日本電気のスーパーコンピューター「SX-ACE」が使用されている。
 新会社は、この技術の汎用性を広げ、社会のさまざまなニーズに対応したシステムの高度化、小型のスーパーコンピューターによる分散型システムの開発や、これらを用いた解析、津波発生時の浸水・被害推定結果の配信サービスなどを展開。災害から「素早く立ち直る」社会の実現に向けた活動を推進していく。本社は仙台市若林区に置き、東北大災害科学国際研究所特任教授で国際航業防災情報チームリーダーの村嶋陽一氏が社長に就く。
 国際航業は41.7%を出資する筆頭株主として、会社運営の中心を担うとともに、防災的観点から技術開発、事業展開を推進する。特に高精度な津波の伝播・浸水シミュレーションを可能とする解析モデル開発と地形モデルの構築を行うほか、断層推定から被害推計までのトータルな「リアルタイム津波浸水・被害推定システム」を用いたコンサルティングサービス、情報配信事業を新会社と共同で行っていく。

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