【大成建設】男性社員の育休取得90%超! 育児支援や両立支援セミナーでWLB充実を後押し | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【大成建設】男性社員の育休取得90%超! 育児支援や両立支援セミナーでWLB充実を後押し

 大成建設が取り組む男性社員向けの育児支援が成果を上げている。男性社員が多数を占める同社で、女性活躍をさらに推進するため始まった取り組みは、ワーク・ライフ・バランス(WLB)の充実に貢献し、誰もが働きやすい職場環境の構築につながっている。塩入徹弥管理本部人事部部長兼人材いきいき推進室長兼人材研修センター長は「休むことがこれまでの働き方を変えるきっかけとなっている」と語る。

両立支援セミナーで家庭での協力体制づくりを支援

 同社が女性活躍推進の取り組みを始めたのは2007年。基幹職女性社員の増加や職域の拡大、継続就業支援、能力開発支援などに力を注いできた。しかし、同社は男性社員の比率が約8割を占めるため「男性社員も巻き込んだ取り組みをしないと女性活躍推進につながらない」(塩入部長)と判断し、男性社員も対象とした育児支援などを本格化した。
 その一環として、10年から子育てにおける父性の重要性を男性社員が学んだり、子育てに悩む父親同士が意見交換する「父親セミナー」を開催したほか、育児休業を取得した男性社員が取得への準備やメリットなどを語り合う「パパ座談会」も開き、育休取得への意識を醸成してきた。
 さらに家庭への働き掛けとして12年からは毎年、仕事と生活の両立に向け、家庭での協力体制づくりを支援する「パートナーと考える両立支援セミナー」を開いてきた。夫婦だけではなく結婚前のカップルや独身者も参加し、WLBの充実に向けた仕事や家庭のあり方に理解を深めた。

パパ座談会では育休取得のメリットなどを共有

 そうした機運をさらに加速させるため、16年に男性社員の育休取得率100%を目指す全社的な方針を打ち出した。これまで取り組んできた休日休暇年間100日以上、健康管理時間毎月100時間以内、節目休暇100%取得を目指す「トリプル100」運動に、男性社員の育休100%取得も加えた「トリプル100プラス1」運動を掲げ、村田誉之社長による育休取得促進へのメッセージも発信した。
 また、45歳以下の男性社員とその上司約4500人を対象に子育ての重要性や取得状況などを定期的に知らせる「パパ通信」で育休取得を促した。加えて制度改定にも着手し、これまで無給だった育休のうち、5日間は有給とした。
 その結果、16年度に子どもが生まれた育休取得対象となる男性社員259人のうち、93.8%に当たる243人が育休を取得し、平均日数も5.8日となった。06年に男性社員が初めて育休を取得して以降、取得者は毎年約2%に留まっていたが、各施策により飛躍的に伸びた。塩入部長は「全社的な方針が(育休取得へ)背中を押している」と明かす。
 同社は今後も引き続き男性社員の育休取得率100%を目指し、取得期限の延長やセミナー内容のさらなる充実を図る。

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