【18年7月豪雨】全国からTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)が集結! 早期復旧に向けた支援開始 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【18年7月豪雨】全国からTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)が集結! 早期復旧に向けた支援開始

 西日本を中心とする記録的な豪雨は、広島県や岡山県に甚大な被害をもたらした。中国地方整備局では、5日に災害対策本部を設置、一刻も早く被災地の状況を把握し、早期復旧に向けた支援を行うために全国から集結したTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を広島、岡山両県の被災地に派遣。広島県建設工業協会、岡山県建設業協会も災害協定に基づく支援要請を受け、会員企業が現地入りするなど災害対応活動に当たっている。協会事務局も9日、現地入りしている各社からの情報収集に追われた。

北九州高速4号線春日~大里間の法面崩落

 西日本の広い範囲で大雨が降った6日には、広島、岡山の各地で土砂災害や住宅被害が続出した。道路も山陽自動車道や岡山自動車道などの高速道路、国道なども冠水や土砂崩落等による通行止めが相次いだ。NEXCO西日本による点検・復旧作業により、9日時点で岡山道と山陽道の一部で通行止めを解除できる見通しが示された。
 中国整備局には、北海道開発局、関東、北陸の地方整備局など全国からTEC-FORCEが集結。9日早朝、本局がある広島市の広島合同庁舎と岡山市の岡山国道事務所から被災地へと出発した。
 一方、地元建設業界の動きは、広島県建設工業協会が中国整備局からの災害協定に基づく支援要請を受け、事務局に災害対策本部を設置し、檜山典英会長名で災害対応活動に当たるとともに、災害対応活動報告を要請する文章を会員に通知した。これを受け、大之木建設、加藤組、鴻治組、山陽工業、砂原組、錦建設、肥海建設、広電建設、伏光組、増岡組、宮川興業の11社が現地に入った。岡山県建設業協会も同様に支援要請を受けて会員企業が現地入りしている。

道路が冠水した広島県坂町

 このほか、日本建設業連合会中国支部や建設コンサルタンツ協会中国支部も災害対策本部を設置し、いつでも対応できるよう準備を整えている。
 両協会とも9日時点で支援要請は受けていないというが、企業が個別に支援依頼を受けて現地調査に携わるなど、被災各地で懸命な復旧活動が続いている。

関東整備局が63人派遣

 関東地方整備局は、西日本で発生した台風7号と前線による大雨災害に伴う対応を支援するため、中国、四国の両整備局にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣した=写真。7-9日に5回に分けて63人の職員を現地に送った。

関東地方整備局TEC-FORCE

 7日に第1陣として、災害対策用ヘリコプター「あおぞら号」を名古屋空港、機械1班の3人と災害対策用機械(排水ポンプ車8台、照明車4台、連絡車1台)を岡山県倉敷市に送った。
 8日は、第2陣として先遣隊1班、被害状況調査班として河川2班、道路4班、砂防1班、広報1班の計36人を中国整備局、第3陣として先遣隊4人を四国整備局に派遣。
 9日は、第4陣として被害状況調査班の河川2班、道路2班、広報1班の計18人を四国整備局、第5陣として被害状況調査班の情報通信班2人を中国整備局に派遣した。

東北整備局が11班44人を派遣 民間オペレーター23人も

 東北地方整備局は、西日本の記録的な豪雨に伴い甚大な被害が発生した中国地方にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)11班44人を派遣した。岡山、広島両県内で被害状況の把握や被害拡大の防止、技術支援などを実施する。

東北地方整備局TEC-FORCE

 中国地方整備局からの要請を受け、7日に先遣隊1班(4人)を岡山市内の岡山国道事務所に派遣し、東北整備局に総合司令部を設置。8日には各分野の被害状況調査などを行う砂防1班(4人)と河川3班(12人)、道路4班(16人)を司令部に派遣した。
 また、広島県福山市内の浸水個所の排水を行う応急対策班2班(8人)と災害対策車両9台、民間企業のオペレーター23人も7日に送った。
 8日に仙台市内で開かれた出発式では、津田修一局長がTEC-FORCE隊員に「西日本各地で多くの人が被災し、いまも被害が拡大している。これまで培った知識と経験を生かし、自治体とも連携しながら被害調査・対策に全力をつくしてほしい」と激励した。
 これを受けて道路班第1班隊長の大森祐一特定道路工事対策官も「災害対応の技術集団として、日々培った経験を基に全力で取り組んでくる」と決意表明した=写真。
 災害対策車両のオペレーターを派遣した民間企業と人数は、次のとおり。
 ▽ワイティ・クリエイション(9人)▽瀬崎組(4人)▽佐藤工務店(同)▽渋谷建設(同)▽スナンエキスプレス(2人)。

中部整備局 6班24人を追加派遣

 中部地方整備局は8日、梅雨前線豪雨の被災地支援のため、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)6班24人を追加派遣した。隊員は四国地方整備局管内で被災地の河川・道路調査などを実施する。同局の隊員派遣は7日以降延べ計40人となった。

北陸整備局から25人を派遣

 北陸地方整備局は7、8の両日、西日本を中心とした豪雨の被災地を支援するため、中国地方整備局にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣した。
 内訳は総合指令班が1班3人、応急対策班が2班6人、被災状況調査班(道路)が2班8人、同(砂防)が2班8人。応急対策班は岡山県倉敷市で排水ポンプ車による排水作業、被災状況調査班は広島県内で道路や土砂災害危険個所の被災状況調査を実施する。

九州整備局から17人 清掃兼油回収船「がんりゅう」も派遣

 梅雨前線の影響による西日本を中心とした豪雨災害を踏まえ九州地方整備局は9日、中国地方・四国地方整備局にTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣した。

九州地方整備局TEC-FORCE

 出発したメンバーは、隊長を務める西保幸環境調整官を始め、先遣班3人、ドローン調査班2班10人、緊急物資輸送・航路啓開班4人の計17人。ドローンによる被害状況調査や支援物資の輸送などを行う。9日に開かれた出発式では増田博行局長を含む同局職員らが隊員を見送った=写真。
 あいさつした増田局長は、「地域の皆さんに寄り添い、安全第一に復旧に向けて活動してほしい」、隊長の西環境調整官は「派遣先の地方整備局の最大限のお役に立てるように頑張りたい」と語った。
 このほか災害対応では、調査支援を目的として広島県と岡山県に防災ヘリコプター「はるかぜ」、中国地方への支援物資輸送と流木回収のため広島湾に清掃兼油回収船「がんりゅう」を派遣している。

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