【18年7月豪雨】地元建設企業が出動! 関西各地で緊急復旧などにあたる | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【18年7月豪雨】地元建設企業が出動! 関西各地で緊急復旧などにあたる

 西日本に大きな被害をもたらした豪雨は、関西各地にも大きな爪痕を残した。JRを始め多くの鉄道が運転見合わせとなり、道路が通行止めとなったことで一時的に孤立化する地域・集落もあり、断水や停電などライフラインへの影響もあった。こうした中、地元建設企業は防災協定に基づく自治体などの要請を受けて緊急復旧などに出動。9日には近畿地方整備局がTEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)を派遣した。

播但道法面の崩落(市川町浅野)。提供:兵庫県道路公社播但連絡道路管理事務所

 最も被害が大きかった京都府下では人的被害が死者3人、負傷者7人で、住家被害が全壊4棟、半壊5棟、一部損壊10棟、床上浸水54棟、床下浸水158棟。このほか、舞鶴市では被害程度不明の住宅が498棟ある(8日正午時点)。土砂崩れも発生し、家屋10棟以上に土砂が流入。道路規制は147カ所にも上った。
 国道27号では舞鶴市真倉の長さ100m、幅10m、高さ15mにわたって法面が崩壊。通行止めにするとともに、7日に学識者による現地調査・診断を行って対応方針を決定。ブロック積みと崩土の撤去、法面整形、大型土のう設置といった応急復旧を進めている。近畿整備局福知山河川国道事務所は舞鶴市建設業協会に要請し、現在は2社が応急復旧に当たっている。通行止め解除まで2週間程度かかる見込みだ。
 道路の通行止めや多くの浸水被害があった福知山市では、国や府と連携しながら道路の土砂の撤去や被災家屋の調査、農地の現地確認などを行っている。協定に基づいて地元建設企業などが作業を担っているが、なかには協定とは関係なく企業が協力した事例もあったという。
 兵庫県下では人的被害が死者1人、負傷者9人で、住家被害が全壊1棟、半壊4棟、一部損壊10棟、床上浸水63棟、床下浸水295棟。205件の土砂崩れが発生した(いずれも8日午後2時時点)。道路などの交通施設は276カ所で通行が規制された。
 兵庫県建設業協会では各支部が災害時支援協定に基づいて迅速に対応した。姫路支部には兵庫県道路公社播但連絡道路管理事務所と兵庫県姫路土木事務所福崎事業所からの要請を受けて会員企業が出動。法面の土砂崩れで土が道路を塞いだ播但連絡道路では崩土の除去と大型土のう設置などの作業に当たった。
 また、県内の地場大手ゼネコンは自治体からの要請に備え、発電機や土のう、要員を確保して出動態勢を整えていたが、結局要請はなかったとのことだ。

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