【i-Construction】クロス・オープン・テクノロジーで"深化" 国交省が試行展開 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【i-Construction】クロス・オープン・テクノロジーで“深化” 国交省が試行展開

 i-Constructionの“深化”として、新技術の積極的な活用を打ち出す国土交通省は、従来の建設産業にない異分野・異業種の技術を果敢に取り込んでいく「× Open Technology(クロス・オープン・テクノロジー)」の概念を浸透させる。これからの建設産業あるいは建設現場に大きな変革をもたらすことが期待されている。
 「× Open Technology」は、BIM/CIMの推進など、建設生産・管理システムの高度化をターゲットに同省が進める建設現場のデジタル化(3次元データ化)を加速させる取り組み。IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボットなど、異分野・異業種の先端技術を取り込むことで、従来の建設現場にない“深化”の道筋を描く。
 機器による測量や2次元図面による設計、労働力を主体とした施工、人手を必須とする維持管理など、いわば従来型の生産システムから脱皮。ドローンを活用した3次元測量と3次元モデル(3次元設計)による可視化、その3次元データに基づくICT施工(自動化)の推進など、プロセス全体を3次元データで循環させる1つの絵姿を映し出す。
 測量から設計、施工、維持管理に至る一連の生産システムを一貫してデジタル化(3次元データ化)することで、建設現場を見える化。生産性を阻害する要因や、より一層の高度化・効率化の余地を残すシーンを浮き彫りにすることで、課題を解決することができる新技術の開発や、有用な技術を持つ異分野・異業種の積極的な参入を促す。
 このオープンデータ化の取り組みによって、建設コンサルタントやゼネコンといった建設産業と、IoT、AI、ロボットなどの異分野・異業種のコラボレーションを推進する。それぞれの企業が持つ技術やノウハウの“融合”を促していく。
 異分野・異業種を巻き込んだ「オープンイノベーション」によって、新技術の開発と建設生産・管理システムの高度化を目指す。

『建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト』のイメージ

 「× Open Technology」の概念を端的に示す例が、8月10日までを期間に対象となる技術を公募している『建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト』の推進だ。
 内閣府の「官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)」を活用する、このプロジェクトは、直轄工事などを受注している建設企業や建設コンサルタント、IoT・AI・ロボット関連企業などで構成するコンソーシアムから対象技術に関する提案を公募。直轄工事の現場などで試行を行う仕組み。
 建設企業×異分野・異業種のコラボレーションは、キーワードとなっている「× Tech(クロス・テック)」を体現する新たな取り組みとしても注目を集めることになりそうだ。

■革新的技術の導入・活用プロジェクト
 省人化や施工時間の短縮(休日の拡大)を目的とする施工における労働生産性の向上と、従来手法を代替するような品質管理の高度化(監督・検査の効率化)をテーマに、建設企業とIoT、AI、ロボット関連企業などで構成するコンソーシアム(設立予定を含む)から技術を公募。9月上旬にも実際に現場で試行する10件程度のモデルプロジェクトを選ぶ。応募手続きの詳細は同省ホームページに掲載。提案資料は、国土技術政策総合研究所の社会資本マネジメント研究センター社会資本システム研究室で受け付けている。

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